「父が“反韓系YouTuber”にハマった」 息子の苦悩と打開策(2/2 ページ)
転職を機に、“反韓系YouTuber”にハマってしまった父。テクノロジーに弱いわけではない彼が、なぜ偏った思想にのめり込んでしまったのか。そしてそんな父に、息子である筆者が父はどう働きかけたのか。
作戦その1:LINEでとにかくコミュニケーション
まず、とにかく父とコミュニケーションを取るようにした。それまでもメッセージアプリ「LINE」でたまに連絡を取っていたが、引っ越しに際する手続きや、実家に帰った際の忘れ物の話ばかりだった。頻度も月に2〜3回と少なかった。
そこで、釣りなど共通の趣味について、面白そうな記事や商品を見つけたらすぐにLINEでシェアし、会話するようにした。連絡する頻度も増やし、最低でも週に2〜3回は連絡するように心掛けた。
すると父から連絡が来ることも多くなり、自然と会話も増えた。こちらの仕事の調子を心配してくれたり、母と外出したときの様子を報告してくれたりするようになった。
作戦その2:Amazon Prime Videoの「プロフィール」機能を活用
次に、父がYouTubeだけでなく、他の動画サービスも使うよう仕向けることで、相対的にYouTuberの動画を見る時間が少なくなるようにした。例えば、Amazon Prime Videoを見るように誘導した。
筆者は学生時代からAmazon Prime会員で、父とアカウントを共有し、家のテレビでPrime Videoが見れるよう設定していた。父はたまにPrime Videoで映画などを見ていたが、当時は視聴履歴などをユーザーごとに分けることができず、見たい動画を見つけにくそうにしていた。
そんな中、7月にプロフィール機能が追加され、ユーザーごとに視聴履歴などを分けて表示できるようになった。そこで自分のアカウントに父のプロフィールを作成し、視聴履歴やおすすめ動画が別々に表示されるようにした。
すると、父は自分のウォッチリストに映画やアニメ、バラエティ番組などを入れるようになった。筆者が実家に帰った際に、映画やアニメの話をすることもある。
どれほど効果があるかは不明だが……
これらの作戦がどの程度功を奏しているかは不明だが、母によれば「前よりはそういう動画を見る頻度が減った」という。もしかすれば隠れて見ている可能性もあるが、筆者はこれを改善の兆しと受け止めている。
だが正直なところ、父への嫌悪感を完全に払拭(ふっしょく)できたわけではない。とはいえ、以前より父とのコミュニケーションが増え、音楽や映画の話ができるようになったのは、息子としてうれしく感じている。
今後は「Netflix」に登録させたり、PCと作曲ソフトをプレゼントしてみたりしてはどうかと考えているが、うまくいくだろうか。
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