カーボン削り出しのトースター「Sumi Toaster」がなぜ最新のオーブントースターに勝てるのか 開発陣に聞いてきた:分かりにくいけれど面白いモノたち(5/5 ページ)
削いで削いで作られた美しいトースター。コンロに乗せて焼きます。
カセットコンロの上に、Sumi Toasterを置いて、ベーコンとかチーズとかトウモロコシなどを焼きながら、ちびちびと一人で飲んだりしているのですが、これがまた最高なのです。バゲットを焼いてワインもいいし、魚を焼いて日本酒もイケます。トースターなので蓋が付いていないのですが、アルミホイルを被せることで蓋代わりにできます。
餃子などは、それで焼けます。アルミホイルは遠赤外線を反射するので、トースターからはみ出した部分にも、きちんと遠赤外線が行き渡るのだそうです。上下で温めるので、早く焼けるという効果もあります。
見た感じはとても地味で、その割に高価で、ちょっと試しにという感じで買うにはややハードルが高い製品ですが、使ってみると、全然高くないどころか、むしろ安いし、何といっても片づけやすいコンパクトさは、オーブントースターより全然手を出しやすい製品だということが分かるはずです。
そして、気がつくと、うっかりSumi Nabeを買ってしまっているということも、結構あるのではないかと思っています。
「デザイン的には、とにかくコストとの戦いでした」とデザインを担当した八幡氏は言います。「デザインしすぎるほどコストがかかるので、シンプルで加工が少なくて、その範囲内で使いやすくてキレイに見えるものを、と考えてデザインしました」という言葉通り、削(そ)いで削いで作られたキレイな形。それだけに写真で見ると地味なのですが、その性能を知ってからだと、コンロの上に乗った佇(たたず)まいは、むしろカッコ良く見えます。
ともあれ、私に言えるのは、とにかく買ってパンを焼いてみて! ということだけです。
キッチンで邪魔にならないし、それなのに、いろんな使い方が出来るし、持っていて損はありません。それこそ、これでお総菜のコロッケとかトンカツとかの温め直しをするだけでも、遠赤外線の威力が理解できます。
いや、ほんと、コロッケを温めるのヤバいですよ。安い牛肉を使ったコロッケで、低温調理と比べてみたのですが、Sumi Toasterで焼いた方が、風味はもちろん、柔らかさでも圧勝でした。繰り返します、とにかく買ってみてください。
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