コロナ禍の影響もあり、現在多くの企業がテレワークを採用しています。客先や、訪問先で仕事をするいわゆるモバイルワークではなく、オフィス以外でPCを使う拠点が定まっている在宅勤務での利用が大半です。これに使用するため企業が採用する製品は13型、14型クラスのいわゆるモバイルノートPCであるケースがほとんどだといいます。
しかし、日本HPの一部の社員はデスクトップPCをテレワークに採用しています。いったいどのような製品がどのように使われているのか、実際に伺ってきたので紹介します。
なぜデスクトップPC?
デスクトップPCをテレワークに活用しているご本人、本多雄一郎さんにお話を伺います。
――どのようなデスクトップPCをテレワーク用に使っているのですか?
本多 いわゆる超小型デスクトップPCとして販売されている「HP ProDesk 405 G6 DM(DM=Desktop Mini、以下「DM」)」です。容量が約1L、重量も約1.25kgととても小さく軽いのが特長で、この中にプロセッサ、オンチップのグラフィックス、メモリ、ストレージといった主要パーツがすべて収まっています。タワー型や省スペース型のデスクトップPCと比較するよりも、ノートPCと比較した方がサイズ感的には合っていそうなほどコンパクトなモデルです。
――なるほど、それなら確かに持ち歩くことができますね。これをテレワークに使ってみようと思ったきっかけはどのようなものでしたか?
本多 もちろん、ほとんどの方と同じく最初は貸与してもらったモバイルノートPCを使っていました。ただ、自分の仕事が内勤の営業ということもあって、Excelなどでの数値入力をすることが多いです。テンキーをよく使うので、テンキーがないモバイルノートPCでは使いづらかったという点が一番大きな理由です。結局自宅でもキーボードをつなぐので、それなら持ち運びがしやすいDMの方が使い勝手がよさそうだと思って上司にお願いしてみました。
――実際手に入れてオフィスで使った最初の印象はどうでしたか?
本多 知ってはいたものの、片手で持てるサイズ感には驚きました。ですが、一番印象的だったのはセッティングの容易さでしたね。オフィスにはそもそもこれまで使っていたディスプレイもキーボードもマウスも机の上にあったので、それを各ポートに差し込むだけ。本体にはWi-Fi機能もあるので有線LANも接続しなくていいですし、ACアダプターも小型なので取り回しがしやすい。慣れれば数秒で準備が終わってしまうほどの手軽さです。
――テレワークに使ってみて、どのようなメリットがありましたか?
本多 このサイズを見てもらえればお分かりのように、本体だけでいえばノートPCよりも小型です。ですから、机の上がとても広々しますね。お客さまとの電話やオンライン会議時にデスクで紙の資料を開くこともありますし、特に入力が忙しいときにはデュアルディスプレイにもしますから、コンパクトな本体は本当にメリットを感じます。また、私が選んだのがAMD Ryzen™ 5 PRO 4650GE プロセッサモデルなのですが、表計算ソフトでマクロを使った処理をしてもレスポンスがいいです。十分なパフォーマンスが感じられるところもいいですね。
また、モバイルノートPCを連続稼働させていると筐体そのものが熱を持つケースがあるのですが、DMはそれがありません。本体内に電源を持たない点やケースの排熱の問題だと思いますが、自宅で長時間使い続ける際の安心感はDMの方が高い印象があります。
――自宅に持ち帰る際はどうしているのですか?
本多 ケーブル類を抜いたらそのままバッグに入れるだけです(笑)。本体はとても頑丈なつくりなので、薄型ノートPCのように接触による破損などは気にしなくてすみますね。自宅ではオフィスに比べて小さな机を使っていますが、セッティングスピード自体は変わりません。
――テレワークにDMを使い始めて一番大きく変わった点はどこですか?
本多 オフィスと同じリズムで在宅ワークができるのがうれしいですね。業務効率が落ちないというか、ただ場所が変わっただけで、同じように仕事ができるので、自宅だからと変にダラダラしてしまうこともありません。ワークライフバランスは上手に保てていると思います。
私の友人の中にもいるのですが、在宅ワークをすると仕事とプライベートの境目がなくなってしまう、という話はよく聞くと思います。実際にモバイルノートPCを使っていたときは、夜になって仕事が一区切りついていったんはノートPCをしまうのですが、食事が終わるとまた開いてしまうこともありました。でも、DMの場合、私はあらゆるケーブルを本体から抜くので、なんというか「今日はこれで終わり」という明確な境目ができるようになったと感じています。今では、DMを片付けたあと、すぐに自分用のゲーミングPCを設置してしまいます。公私が切り替えやすいので、その辺が苦手な人にはオススメだと思いますよ(笑)。
上司に聞く! Desktop Miniを採用した理由とは?
次に本多さんの上司、隅垣さんにテレワークにDMの採用を決定した理由について伺ってみます。
――DMを採用した経緯を教えてください。
隅垣 本多の場合、仕事内容としては基本的にオフィスから電話やメールベースでお客さまと商談をするので、そもそもノートPCである必然性はありませんでした。逆に見積もりを作るなど、数字を扱うことが多いので、テンキー付きのキーボードを使うことが彼にとっての最優先事項だと感じました。
A4サイズのノートPCになればテンキー付きもあるのですが、重量は2kg前後になります。このクラスになると自宅とオフィスの往復だけでも負担に感じることがあるはずです。それに比べてDMは1kg強と軽量です。それにこちらであれば、数字が見やすい大型ディスプレイもつなげられますし、キーボードは好きなものが使えますから、業務効率と生産性維持の点で軍配が上がります。そのような理由からDMの採用を許可しました。
――なるほど、DMだったからこそ、テレワークに使えると判断されたのですね。実際に本多さんが使い始めてどのような効果がありましたか?
隅垣 一番大きなことは、業務効率が維持できている点です。実は同じ業務をしているメンバーが本人の希望もあってモバイルノートPCでテレワークをしているのですが、在宅勤務以降「やっぱり業務効率は落ちる」という声を聞きます。自分でも理解していますが、単純に自宅での仕事はそれだけで業務効率は落ちるものです。それが貸与したPCのせいでさらに落ちてしまうのは避けたいですね。
――その他、お気付きになった点はありますか?
隅垣 障害時のダウンタイムが最小化できるのもメリットだと考えています。ノートPCの場合、どこかが壊れたら修理に出さないとなりません。ディスプレイが映らない、キーが反応しないなどであれば、DMなら障害の切り分けも比較的容易ですし、差し替えるだけで業務を継続できます。自分の判断で業務が続行できる余地が残されているのは精神衛生上とてもいいです。
これは、IT管理者の目線でもヘルプデスク対応の緊急性が減るのですから、業務負荷軽減につながります。また、同様に自宅にもオフィスにもキーボードとマウス、ディスプレイがあるのですから、予備機材は豊富にあることになります。複数名が同じ環境になればそれらのパーツを融通しあえると思います。専用の予備を持たなくていいのも考え方としてはメリットだと思います。
――超小型デスクトップPCのテレワーク活用について興味を持たれた方にアドバイスはありますか?
隅垣 DMのような超小型デスクトップPCのデメリットは、カフェや客先で仕事をするいわゆるモバイルワークには使えないという部分でしょう。でも、現在世界が陥っている状況ではそもそもカフェにも客先にも行けません。そういう意味ではDMの導入にデメリットが無い状態です。
もちろん、全ての部署にDMが向いているとはいいません。しかし、業務内容的に向いているのであれば、テレワークで超小型デスクトップPCを使うことにメリットしかない今、DMは候補としていい選択肢になると思います。
――ありがとうございました。
この記事は日本HPの協力のもと、ITmedia NEWS編集部で一部編集したものです。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2021年6月9日
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