Yahoo!ニュース、自社やZHD関連の記事もヤフトピの対象に “LINE問題”などで方針転換
ヤフーは同社が運営するニュースサイト「Yahoo!ニュース」で優先的に表示するニュースの見出し「トピックス」(以下ヤフトピ)について、自社や親会社Zホールディングス(ZHD)に関する記事も対象とする新たな方針を発表した。
ヤフーは6月14日、同社が運営するニュースサイト「Yahoo!ニュース」で優先的に表示するニュースの見出し「トピックス」(以下ヤフトピ)について、自社や親会社Zホールディングス(ZHD)に関する記事も対象とする新たな方針を発表した。ヤフーはこれまで、原則として自社が主語のニュースはヤフトピに採用していなかったが、LINEのユーザー情報の取り扱いを巡る問題などを受け、方針を転換した。
今後は公共性や社会的関心があり、各社が報道する重要度の高い話題であれば、自社やZHDが主語であるかを問わずヤフトピに掲載する。ヤフーは方針を変えた経緯について「これまでもトピックスとしての採用基準には疑問の声が出ていたが、LINEの問題などをきっかけにメディアへの知見が深い有識者から意見をもらい、変更を決めた」と説明している。
ヤフーは19年9月に同社がZOZOを買収したときや、同年11月にLINEと経営統合したときにもこれらの話題をヤフトピに採用しなかった。「ニュースサイトとしての中立性を重視し、自社PRにならないよう検討した上での対応だった」と同社。
一方で21年3月17日にLINEの問題が発覚したときは「企業としての説明責任を果たす」として、同日夜にトピックスに掲載。しかしTwitter上では、対応の遅さに対し「社会的に大事なことなのに伝えないのか」と指摘する声が出ていた。
当時掲載が遅くなった理由についてヤフーは「ネガティブな問題だったからではなく、(同じグループ会社であるLINE社が)プレスリリースを出した後に掲載したため、対応が遅れた」と説明。こういった事態をきっかけに、方針変更の検討を進めたとしている。
Yahoo!ニュースは420社650媒体から1日約7000本(6月15日時点)の記事を掲載する日本最大級のニュースサイト。世間の注目が集まる記事を25人の編集部員がトピックスとしてピックアップした上で、14.5文字の独自の見出しとともにトップページに掲載している。トピックス数は1日100本。月間のPV数は非公表だが、20年4月にはYahoo!ニュースで最高となる月間225億PVを記録したという。
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