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「真のマルチタスク」を実現した「2画面スマートフォン」のこれからデジタル・イエスタデイワンスモア計画(1/6 ページ)

失敗した、撤退したなどとネガティブな記憶だけが残るテクノロジーを取り上げ、その意義と現代における居場所を解説する連載。今回は筆者が激推ししている「2画面スマートフォン」である。

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 温故知新的に過去の魅力あるサービスやガジェットをいま改めて見直す本連載、第3回は、筆者が勝手にエヴァンジェリストを名乗るほど愛用している「2画面スマートフォン」を取り上げる。

10年の歴史を持つ2画面スマートフォン

 2画面スマートフォンは、名前だけ見れば「画面が2つあるスマートフォン」だ。筆者が考える2画面スマートフォンの価値は、単なるディスプレイの数ではないところにあるのだが、その説明は後でするとして、まずは2画面スマートフォンの歴史を振り返りたい。

 2画面スマートフォンの歴史は意外に古く、ちょうど10年前となる2011年に、京セラの米国法人KYOCERA Communicationsが初の2画面Androidスマートフォン「Kyocera Echo」を発売。この端末は海外のみで販売され、国内で取り扱われることはなかった。また、同年にはソニーがXperiaシリーズの2画面Androidタブレット「Pシリーズ」を国内で発売している。

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Kyocera Echo
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Xperia Pタブレット

 国内初の2画面スマートフォンとしては、NECカシオが開発、NTTドコモが発売した「MEDIAS W」が2013年に登場。前述のKyocera EchoとPシリーズが、画面を内側に折りたたむニンテンドーDSのような構造であるのに対して、MEDIAS Wは2つのディスプレイが外側に配されており、折りたたんだ時は1画面のスマートフォンとして利用できるようになっている。

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国内初の2画面スマートフォン「MEDIAS W」

 このMEDIAS Wの2画面の活用方法は大きく3つある。2つのディスプレイを1つの画面として使う「フルスクリーンモード」、2つの画面に別々のアプリを表示する「ダブルモード」、そして2つの画面にまったく同じアプリを表示する「スタンドモード」だ。

 その後登場する2画面スマートフォンも基本的にはこの3モードのいずれかで動作しており、2画面スマートフォンの基本的なコンセプトはこの時点で確立されていた、2画面スマートフォンの元祖といっていい存在だ。

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