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ゲリラ豪雨の予報にスパコン「富岳」活用へ 理研などが実証実験
理化学研究所などの共同研究グループが、首都圏を対象としたゲリラ豪雨の予報にスーパーコンピュータ「富岳」を活用する実証実験を7月下旬から9月上旬にかけて行う。富岳に30秒ごとに現実世界の気象データをリアルタイムで取り込み、30分後までにゲリラ豪雨が起きる確率を算出するという。
理化学研究所(理研)らで構成する共同研究グループは7月13日、首都圏で起きるゲリラ豪雨の予報にスーパーコンピュータ「富岳」を活用する実証実験を7月下旬から9月上旬にかけて実施すると発表した。富岳上に仮想世界を構築し、現実世界の気象データを30秒ごとにリアルタイムで取り込むことで、30分後までにゲリラ豪雨が起きる確率を算出するという。
富岳をリアルタイム利用するのは初めてという。実験期間は7月20日から8月8日、8月24日から9月5日の計2回。実験で得たデータは理研の天気予報研究のWebページなどで公開する。
共同研究グループは理研に加え、国立情報学研究所(NII)、電磁波研究所(RRI)、大阪大学、エムティーアイなどで構成。2013年から研究に着手し、20年には筑波大学と東京大学が共同運用するスーパーコンピュータ「Oakforest-PACS」を使い、今回と同様の実験を行った。富岳では、前回の20倍となる1000通りのシミュレーション計算を行うという。
予報データは理研のWebページの他、エムティーアイのスマートフォンアプリ「3D雨雲ウォッチ」でも20日正午から公開する。
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