Intel、nmではない新命名法でのロードマップを発表 次は「Intel 7」に
Intelがnm(ナノメートル)命名法をやめ、第12世代Alder Lakeは「Intel 7」になる。ゲルシンガーCEOがプロセッサのロードマップを発表した。Intel 7の4世代先の「Intel 20A」では新たなトランジスタアーキテクチャ「RibbonFET」を採用する。
米Intelは7月26日(現地時間)、オンラインイベント「Intel Accelerated」を開催し、パット・ゲルシンガーCEOがプロセッサのプロセスとパッケージングのロードマップを発表した。
向こう50年間の計画で、プロセッサ分野でのリーダーシップ奪還が最終目標となっている。
命名方法も変わる。今年後半に予定されている第12世代Alder Lakeから、これまで採用してきたnmベースのノード命名法ではなく、「業界全体のプロセスノードのより正確な見解」と、Intelがその状況にどう適合するかを示すための命名スキームを採用する。
現行最新のIntel製デスクトップ向けプロセッサは3月に発表の14nmプロセス採用の「第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Rocket Lake)」、モバイル向けは5月発表の10nmプロセス採用Tiger Lakeだ。台湾TSMCや韓国Samsung Electronicsなどは既に7nmプロセスを採用している。
各プロセッサを簡単に紹介すると、「Intel 7」は第3世代10nmテクノロジーで、「10nm SuperFin」の後継になる。前世代と比較してワット当たりの性能が約10から15%向上するという。電力効率とバッテリー寿命も向上する。消費者向けは2021年末に、データセンター向けは22年に登場の予定。
「Intel 4」は、2021年に登場予定だった7nmプロセス製品。Intelとしては初めてEUV技術を採用する。また、FinFETトランジスタアーキテクチャを採用する。これにより、1平方mm当たり約2億から2億5000万のトランジスタ密度を持つ。ワット当たりの性能は約20%向上、消費者向け(Meteor Lake)は2023年登場の予定。
「Intel 3」は第2世代7nmに当たる。これもFinFET製品で、Intel 4よりワット当たり性能が約18%向上する。登場時期はまだ発表されていない。
「Intel 20A」は、FinFETに代わる新たなトランジスタアーキテクチャ「RibbonFET」を採用する最初のプロセッサ。RibbotFETは根本的に新しい技術という。Intel 20Aではまた、新たな電力供給技術「PowerVia」も採用する。2024年に登場の見込み。次の「Intel 18A」は「2025年初頭に開発に入る」。RibbonFETがさらに強化されるとしている。
「20A」のAはÅ(オングストローム)を表す。オングストロームは0.1nmを表す単位だ(ただし、20Aが2nmプロセスを意味するわけではない)。
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