五輪中継、サブチャンネルの画質はなぜ悪い?
「なぜこんな画質に」──NHKと民放が連日生放送している「東京2020オリンピック」。しかしSNSには時折、画質に関する苦言が流れてくる。なぜか。
「NHK、画質悪い」「なぜこんな画質に」──NHKと民放が連日生放送している「東京2020オリンピック」。しかしSNSには時折、画質に関する苦言が流れてくる。理由は「サブチャンネル」だ。
地上デジタル放送には1つのチャンネルを複数に分けて異なる番組を同時に放送する「マルチ編成」という機能があり、放送局の判断で使用できる。ただし1つのチャンネルで送れる情報量の上限は決まっているため、番組が増えると個々の情報量は減ってしまう。
通常、地上デジタル放送の解像度は1440×1080ピクセル。しかしNHKのオリンピック中継の場合、サブチャンネルは720×480ピクセル。これを50型や60型のフルハイビジョンテレビ(1920×1080ピクセル)に映せば自動的に拡大され、ボケた表示になる。
地上デジタル放送は1局あたりの周波数帯域(6MHz)を13のセグメントに分割して使用する。このうち1つのセグメントで放送するのが「ワンセグ放送」で、テレビ向けは12セグメント。マルチ編成ではこれをさらに分割して使用する。
地上デジタル放送が一部地域で始まった2003年ころ、テレビはまだブラウン管が主流でサイズも今より小さかった。解像度の低いサブチャンネルもそれなりに実用的と目され、マルチ編成は「地デジ化」の大きなメリットとして喧伝されていた。
しかしフルハイビジョンや4Kの大型テレビが普及した今、解像度の低さはSNSに書き込みたくなるほど目立つようになってしまった。視聴者側の対策は、お目当ての競技がネット中継されていればそちらを見るか、テレビの機能に頼ることくらいだ。
例えば「超解像」などアップスケール(画面拡大)時の画質を向上させる機能があればオンにする。また「Dot by dot(ドット・バイ・ドット)表示」など本来の解像度で画面に映すモードがある場合も試す価値あり。表示エリアは小さくなるものの、ボケた画面ではなくなる。
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