日本へのサイバー攻撃、五輪開始後は約10倍に 組織委「対策を徹底する」
米Cloudflareが、東京オリンピックの競技が始まってから、日本へのサイバー攻撃の数が前週比で10倍以上に増加したとする調査データを公開した。
コンテンツ・デリバリー・ネットワークなどを手掛ける米Cloudflareは7月27日、東京オリンピック(東京五輪)の競技が始まってから、日本へのサイバー攻撃の数が前週比で10倍以上に増加したとする調査データを公開した。インターネットのトラフィックを分析したところ、Webサイトやサーバに過剰な負荷を与えて障害を起こす「DDoS」攻撃が競技開始後から明らかに増えているという。
Cloudflareが公開したダッシュボードを見ると、7日間(21日〜27日、協定世界時)のサイバー攻撃件数の平均値を1としたとき、約30倍になっていた時点があることが確認できる。攻撃ではないが、開会式中には日本のスポーツニュースサイトへのアクセスも3倍以上に増加したという。
一方、加藤勝信官房長官は26日の会見で「現時点までにサイバー攻撃は確認されていない」と説明。大会組織委員会にもサイバー攻撃の有無を尋ねたところ「サイバー攻撃の有無や対策についてはセキュリティ上、公表できない」とし、「関係機関と緊密に連携し、対策を徹底していく」と回答した。
過去の五輪では、2016年のリオデジャネイロ五輪でボットネットに感染したPCから組織委員会のデータが盗まれる事態や、18年の平昌五輪ではマルウェアによってチケット発券システムが停止するなどの被害があった。直近では組織委は22日に、観戦チケット購入者らの情報がインターネット上に流出したと発表している。ただし、これは組織委のシステムからの流出ではなかったという。
29日時点までにサイバー攻撃による具体的な被害は報告されていないものの、過去の例からも五輪開催中は開催国へ攻撃が集中すると予想でき、Cloudflareの報告はその裏付けともいえる。攻撃による被害を出さぬよう、組織委など関係各所には最新の注意が求められる。
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