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イギリス人を“English”と呼んではいけない、その理由IT基礎英語(1/2 ページ)

英国国民がイギリス人とは限らないというお話です。

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 オリンピックを見ていると改めて、あまり聞いたことのなかった小さな国から、いつもニュースで目にする大国まで、多様な国と多様な文化があることを実感する。そして超メジャーな国なのに、いまだに翻訳で迷うのが、いわゆる「イギリス」という国の国名だ。

 試しに知人の高校生に聞いてみた。「イギリスの国名を英語で何と言う?」「簡単じゃん、Englandでしょ?」。ほら引っかかった。

 実は私自身、きちんと認識していなかった。それを思い知らされたのは、スコットランド出身の人のことをうっかり「イギリス人」と言ってしまった時のこと(日本語が分かる人だった)。「スコットランド人のことをイギリス人と呼ぶのは、大阪人のことを東京人と呼ぶようなものだよ」と怒られた。

 この国の正式な国名は「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」。日本語では「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と訳す。

 Great Britainは1つの大きな島の名前で、この島にEnglandとScotlandとWalesがある。それに隣のアイルランド島の北部Northern Irelandを合わせてUnited Kingdom、つまり連合王国を構成している。なのでイングランドはこの国の一部に過ぎず、イングリッシュは国民の一部にすぎない。

Outside the British Isles, England is often erroneously considered synonymous with the island of Great Britain (England, Scotland, and Wales) and even with the entire United Kingdom. (Britannica

ブリティッシュ諸島の外では、イングランドが誤って、グレートブリテン島(イングランド、スコットランド、ウェールズ)と同義語、さらには連合王国全体と同義語と勘違いされることがある。

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Britannicaにおける注意

 ということなので、イングランド人以外の人のことを「English」と呼んではいけない。英語のメディアは一般的に、この国の国民のことを「British」と呼ぶ。ただし、時に独立運動が盛り上がるスコットランドの人たちは「Scottish」としての誇りを持っている。間違っても俳優の故ショーン・コネリーを「English」と呼ばないように。

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