故郷が「帰ってくるな」という夏休み、「バーチャル帰省」はアリ?:小寺信良のIT大作戦(2/2 ページ)
「帰ってこいよ」ではなく「帰ってくるな」と故郷は言う。ではどうすればよいか。
バーチャル帰省の「お供」
帰省の醍醐味といえば、子どもの頃よく遊んだ場所や学校にもう一度行ってみる、ということではないだろうか。昔のままというところもあるだろうし、もう跡形もないというところもあるだろう。パートナーや子どもをその場所に連れて行って、昔の話をするというのもいいものだ。
その点で結構面白いのが、「Google Earth」である。今ではすっかり「Google マップ」のほうが有名になってしまい、存在を忘れがちだが、Google マップと違って立体情報が付いているので、俯瞰で見るとなかなか楽しい。出身中学や高校を俯瞰で立体的に見ると、また違った発見があるのではないだろうか。
例えば筆者の出身小学校は、プールが2つになっている。小さい方は低学年用なのだろうか。一方中学校は、校舎は昔のままだが体育館が立て替えられており、以前体育館脇あった弓道場がすっかりなくなっている。出身校とはいえ、気軽に中に立ち入ることははばかられるわけだが、こうして上から訪問できるのは面白い。
住所や学校名を入力するとグイーンと空を飛んで移動するアクションは、ドローンを飛ばしているようで見ごたえがある。下の道におりたければ、ストリートビューの人型を道路に置くだけで、地上に着陸する。
筆者がよく遊んだ空き地は、今は県立病院の駐車場になっている。昔は資材置き場で一時的な土捨て場にもなっていて、小さな築山がいくつもあり、まるで仮面ライダーのロケ現場のようであった。ヒーローごっこも大いに盛り上がったものだが、今となってはそんな遊びをする場所もなくなってしまった。
子どもと一緒にこうしたバーチャル冒険をやってみると、盛り上がるのではないだろうか。これもまた、ITリテラシー教育の一つであろう。
とはいえ、バーチャル帰省はあくまでも代替手段であって、それで全てが解決するわけではない。両親が高齢になれば、今後のことを兄弟姉妹間で相談する機会も必要だろう。そういう話はやはり実際に会ってするべきかと思う。
あいにくコロナ感染者数は、人出が増える年末年始にも増えることが分かってきたので、この冬の帰省も難しいかもしれない。感染者数の低下を見計らってオフシーズンにサッと帰省する方法も、同時に模索すべきだろうと思う。
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