ニュース
“ワクチン接種データ”の悪意ある切り取り対策、データの画像保存機能に活路 「スクショより手軽」で防止
新型コロナワクチンの接種状況をまとめたダッシュボードの制作者が裏話を公開した。データが都合良い期間で切り取られるのを防ぐため、画像のダウンロード機能を実装したという。
新型コロナワクチンの接種状況をスマートニュースがまとめたダッシュボードの制作裏話を、データ選定やデザイン面で携わった同社の荻原和樹さんが8月10日に公開した。データが都合の良い期間で切り取られるのを防ぐため、画像のダウンロード機能を実装したと説明した。
スマートニュースが8月4日に公開した「スマートニュース ワクチンダッシュボード」は、首相官邸と厚生労働省のデータを基に全国のワクチン接種状況をグラフで表示するWebサイト。サイト上の「画像を保存」というボタンを押せば、接種回数の推移や各都道府県の状況を表したグラフの画像がダウンロードできる。
荻原さんが2020年に別のダッシュボードを作った際に「スクリーンショットがTwitterなどで拡散されたときに出典が分からない」「都合の良い期間だけ切り取られた」といった課題があったという。そこで「スクリーンショットよりも早くて手軽な公式の画像ダウンロード機能を用意しよう」と考えたという。
8月10日時点では接種回数の推移グラフしか画像の保存はできないが、今後は「(他のグラフなど)画像ダウンロードの拡充や都道府県の一覧をもっと高機能にしたい」としている。
関連記事
- 政府が「ワクチン接種状況ダッシュボード」公開 性別や都道府県別に可視化
政府が、全国の新型コロナワクチンの接種状況を一覧にまとめた「ワクチン接種状況ダッシュボード」を公開。統計情報をまとめたCSVやJSON形式のファイルも提供する。 - テクノロジーが後押しするワクチン接種 AIによる接種優先順位決定は正しいのか?
新型コロナウイルス感染症のためのワクチンを効果的に配布するために、AI技術が使われているのだが……。 - ネット上の“ワクチンデマ”、「ファクトチェック記事」「大臣のツイート」の打ち消し効果は? 専門家が調査
新型コロナウイルスワクチンのデマが広がる中、国や一部のメディアはファクトチェック記事を発信したり、大臣がSNSを活用したりして、誤った情報の打ち消しに取り組んでいる。これらの施策は本当にデマの打ち消しに効果があるのか、専門家が調査結果を明らかにした。 - 元・女子高生AI「りんな」は、人間の歌声を手本にボイトレ 開発者が明かす裏話
日本マイクロソフトのAI「りんな」の歌声は、「本当にAI? 人間の声では?」といわれるほど。影武者の人間がいるわけではなく、音声合成で作り上げた歌声を使っているという。開発者が「りんなのボイトレ」の舞台裏を明かした。 - 「かわいい明朝体作りたかった」 制作者が明かす「貂明朝」と新フォント「貂明朝テキスト」の裏話
アドビのタイプデザイナーが「貂明朝」と「貂明朝テキスト」の制作裏話を「Adobe MAX Japan 2018」で明かした。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.