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「たこ焼きはどこまで大きくできるのか」解明に数学で挑戦 京大大学院の橋本教授と理系YouTuberが論文公開
京都大学大学院の橋本幸士教授が「たこ焼きが崩れないように巨大化させるには扁平な形状にする必要がある」という予想を、論文形式でまとめた文書を公開した。風味を落とさず巨大化するための予想を「オイラー・ラグランジュ形式」という方程式を使って説明している。
京都大学大学院の橋本幸士教授(理学研究科)は8月16日、理工系YouTuberのラムダ技術部さんとともに、「たこ焼きが崩れないように巨大化させるには扁平な形状にする必要がある」という予想について論文形式にまとめた文書を公開した。風味を落とさず巨大化するための予想を「オイラー・ラグランジュ形式」という方程式を使って説明し、実験した結果や結論までを掲載している。
橋本教授は超ひも理論などを研究する素粒子物理学者。巨大なたこ焼き機などを使って予想を実際に検証した様子の動画も、ラムダ技術部のYouTubeチャンネルで14日に公開した。動画では検証の結果、たこ焼きを球のまま巨大にしようとすると皮の部分を厚くしなければならず、食感が損なわれる一方で、扁平な形状にし、お好み焼きのようにすることで風味を損なわず巨大にできることが分かったとしている。
橋本教授が執筆し、集英社インターナショナルが2月に販売した書籍「物理学者のすごい思考法」に載っている予想を論文形式でまとめた。「物理学者はどういうことを面白がっているのか分かれば、将来(物理学の道に)進みやすくなるかな(と思い文書を執筆した)」(橋本教授)
ラムダ技術部さんが公開した動画
今回の内容は論文形式にはまとめたものの、査読付きの科学雑誌に投稿する予定はないという。
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