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霧の中に立体映像、32台のプロジェクターで投影 ドコモと東大「RayGraphy」開発Innovative Tech

どの方向からも裸眼立体視できる立体映像。

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Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 NTTドコモと東京大学による研究チームが開発した「RayGraphy」は、霧が充満した室内空間に32台のプロジェクターからの光を重ね合わせて立体映像を空中に表示する技術だ。どの方向からでも裸眼で目視できる。

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円形に配置された32台のプロジェクター(a)うさぎの立体画像を描画している様子

 霧の中に画像を表示するこれまでの研究は、薄い霧状のスクリーンに描画するものだった。そのためスクリーンの厚さが増すとプロジェクターからの光が散乱し映像が見えにくくなる、霧を発生させるノズルに近く狭い範囲でしか描画できない、立体映像の投影ができない、などの制限があった。

 今回は霧が充満した空間に多方向から照射する光線の軌跡を重ね合わせて、立体的な画像を生成するアプローチ。投影面の近くに霧を発生させるノズルを必要とする従来の方法と異なり、霧が充満した空間ならプロジェクターの視野内のどこにでも画像を投影できるため、拡張性が非常に高いのが特徴だ。

 プロトタイプは、32台のプロジェクターを中心に向かって円を描くように配置する。使用する霧は、超音波式の加湿器の霧ではなく、一定時間空間に浮遊する微粒子を大量放出するスモークマシンを採用する。実行時は、各プロジェクター位置から2次元画像を投影し、その2次元画像の光線を重ね合わせて立体画像を表示する。

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各プロジェクターから2次元画像を投影して、3次元画像を描画する
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球体モデルを投影している様子
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ティーポットの描画(a,c)ティーポットの輪郭のみ描画(b,d)

 さらに、赤外線カメラに基づくモーションキャプチャーシステムで人を追跡し、描画した画像を触るといった操作も可能だという。

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赤外線ベースのモーションキャプチャーシステムで人の動きを捉えることで、投影した映像を操作できるという

 現段階では投影画像のコントラストが低く屋内空間でしか描画できず、投影対象の形状や質感にも限界がある。これらを踏まえた今後の展開として、プロジェクターの数を増やして解像度を向上させる、モデルの形状に応じてプロジェクターを選択的に動作させる、画像を3原色に分割しRGB光を投射することでコントラストを向上させるなどが考えられるという。

 今回はテーブル上での実験に留まったが、プロジェクターの性能や数を増やしルームスケールや舞台サイズに拡張したいとしている。

 動画はこちら

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