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夏の停電対策に大切なことデジタル防災を始めよう(1/2 ページ)

暑い夏に停電したら、どうするか。防災対策専門ライターはそうなったときに困らないための準備を提唱する。

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 夏は雷のシーズン。急な雷雨や台風、猛暑による電力需要の急増による停電なども考えられ、雷対策、停電対策が必要だ。8月5日に東京都練馬区で発生した停電もそうだが、原因が特定できないままの停電が多いのも不安だ。

 暑い夏に電力の供給が止まると、エアコンや冷蔵庫など生活に欠かせないさまざまな家電が使えなくなり、大変困ったことになる。今回は万一の停電に備えるためのアイテムを紹介する。

停電対策にはポータブル電源がベスト

 連載第2回の「デジタル備蓄のススメ EV活用『V2H』と大容量ポータブル電源とソーラーパネルと」で紹介したように、停電対策には大容量ポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせがオススメだ。

 ポータブル電源を選ぶ際に重要なのが、「容量」と「出力」。

 多くのポータブル電源は、「容量」の記載はあるが「出力」はカタログに小さくあるだけでぱっと見では分かりにくいものが多い。

 モバイルバッテリーの容量はmAhで表記されているものが多いが、ポータブル電源の多くはWhで表記される。例えば1000Whと表記されている場合、単純計算では消費電力1000Wの機器を1時間(100Wの機器なら10時間)使えるという意味になる。実際の使用時間は8〜9割くらいになることが多い。

 出力は、「定格出力」か「出力」と表記されていることが多く、AC100V:500Wなどと表記される。

 瞬間最大出力(サージ)といった数値もある。定格出力1000W(瞬間最大出力2000W)とあった場合、1000Wまでの機器を動かせる。電子レンジや湯沸しポットなどで瞬間的に消費電力が跳ね上がった時に耐えられるリミットが2000Wまでということだ。

 比較的安価な普及モデルの場合、出力が300Wとか400Wであることが多く、冷蔵庫や扇風機は動かせるが、電子レンジや湯沸しポットは使えないこともある。

 機器それぞれの消費電力を計算するのが面倒な人は、定格出力1500W以上、瞬間最大出力(サージ電力)2000W以上のものを選べば、家庭のブレーカー1回路(15A)分確保されているので、タップごと差し替えたとしても使える。

 同居する家族がいて消費電力の多い家電を使っていたり、PCや家電にこだわりがあるという人には、Goal ZeroのYetiシリーズがオススメだ。

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Yeti 3000X (120V) Power Station(実売価格48万2000円から)
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Yeti 6000X (120V) Power Station(実売価格75万円から)

 AC出力は定格2000W、瞬間最大出力3500Wに対応しており、家庭用コンセントの1系統分(15A)に余裕で対応する。機種によっては家庭用のエアコンも稼働可能だろう。重さと予算、どれくらいの時間、機器を動かしたいのか、バランスを考えてモデルを選ぶと良い。

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Yeti 1500X (120V) Power Station(実売価格28万6000円から)

 同社のソーラーパネルと組み合わせれば持続可能な電力も確保できる。クルマのシガーソケットからも充電できるので、普段は車中泊やオートキャンプで使用し、いざという時には家庭の冷蔵庫、エアコンなどの電源として使用。避難の際はソーラーパネルとともにクルマに積む、という使い回しができる。

 USB-AやUSB-Cなどのポートもあるので、PCやスマートフォン、タブレットなどの充電にはこちらを使うといいだろう。

 必要な容量や出力を算出するには、停電時に電力を供給したい最低限の機器や停電時の困りごとをリスト化しておくと便利だ。

 落雷のような短時間で復旧が見込める停電から、地震など災害時の長期間の停電まで、停電の期間も異なるので、それぞれの災害に応じた「マイタイムライン」を設定し、対策を考えておこう。

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