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M1 Macに対応した「DaVinci Resolve 17.3」、3倍速いは本当か小寺信良のIT大作戦(3/4 ページ)

MacとWindowsに対応したビデオ編集ソフト「DaVinci Resolve」。その最新版であるバージョン17.3は、M1 Macへの最適化が大きく進んだという。その実力を検証してみた。

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レンダリングは実際速くなったのか

 ここまでは負荷の高いシーンのみリアルタイムレンダリングの速度を見てきたが、全体のレンダリング時間も見ていこう。DaVinci Resolveでどのような作業をするにしても、使う全ての人に恩恵があるのはこの部分だ。

 今回はタイムライン上の設定は4K/60p、およそ5分30秒のコンテンツだが、レンダリングはYouTubeへのアップロードを前提に、1080/60p/H.264へリサイズしながら書き出してみる。

 旧バージョンではカラーグレーディングのみで他にエフェクトがない部分はフレームレート76fpsぐらいで進行するが、DVE(Digital Video Effect)エフェクトの部分になると3.5fpsぐらいまで速度低下する。その部分はCPU負荷が52.3%と、リアルタイム再生に比べてあまりCPUを使わなくなっている。

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旧バージョンでのレンダリング。エフェクトのない部分はリアルタイムを超えている
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旧バージョンDVEエフェクト部分。再生よりCPUの負荷が下がっている

 一方新バージョンでは、エフェクトなし部分は102fps程度までスピードアップしている。旧バージョンと比較すると1.37倍である。

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旧バージョンでのレンダリング。エフェクトのない部分の速度向上が著しい

 DVEエフェクト部分になると、フレームレートは4とあまり変わらないが、CPUの負荷が45.6%とさらに減っている。負荷で言えば約87%減だが、ややスピードアップということになる。

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新バージョンでもDVEエフェクト部分の速度はあまり変わらないが、CPU負荷が下がっている

 トータルのレンダリング時間は、旧バージョンが10分54秒、新バージョンが9分14秒となった。比率でいえば1.18倍で、リアルタイムレンダリングの比率に近い数値といえる。今回の結果ではスピードが3倍とはいえないが、CPUとGPUの負荷がかなり下がっているように見える。

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新旧のレンダリング速度比は1.18倍に止まる

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