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Facebook傘下のWhatsAppにGDPR違反でアイルランドが約293億円の制裁金
Facebook傘下のWhatsAppがEUの一般データ保護規則(GDPR)に違反したとして、アイルランドが2億2500万ユーロ(約293億円)の制裁金を科すと発表した。GDPRの制裁金としては7月のAmazonに次ぐ高額さだ。
アイルランドの個人情報保護当局であるデータ保護委員会(DPC)は9月2日(現地時間)、米Facebook傘下のWhatsAppに対し、総額2億2500万ユーロ(約293億円)の制裁金を科すと発表した。欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に違反したとしている。
EUのGDPR関連としては、7月の米Amazonに対する7億4600万ユーロに次ぐ高い制裁金だ。
DPCが公開した決定の要約文書(リンク先はPDF)は、WhatsAppが親会社であるFacebookとユーザーの個人情報を共有する方法などを、ユーザーに対して適切に通知しなかったことがGDPRに違反するとしている。DPCは2018年から、WhatsAppが情報の処理方法について十分に透明性を保っているかについて調査してきた。
WhatsAppは英BBCなどに対し、「われわれは、提供する情報が透明で包括的であるよう努めており、今後もそうしていく。本日の決定の罰則は完全に不均衡であり、同意できない」と語り、上訴する構えだ。
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