Oculus Goに”ブートローダーアンロック”提供へ 「20年後に開封してもアップデートできるように」
VRヘッドセットデバイス「Oculus Go」に、ブートローダーをアンロックできるOSビルドを提供すると顧問CTOが明らかにした。
米FacebookのVRヘッドセットデバイス「Oculus」の顧問CTOであるジョン・カーマックさんは、同シリーズの内スタンドアロンタイプの初代機である「Oculus Go」について「ブートローダーをアンロックできるOSビルドを提供する」と自身のTwitterアカウントで明らかにした。
提供時期は「近々」(soon)としている。このOSビルドを手動でインストールすれば、ブートローダーがアンロックされ、フルのroot権限を取得できるようになるという。
root権限はシステムファイルなど端末内の全てのファイルを編集できる権限であるため、一般的なモバイル端末ではユーザーに提供されない。しかし、カーマックさんは「何年も掛けてこれに取り組んできた」とした上で「より多くの目的にOculus Goを使えるようになる。20年後に未開封のヘッドセットが見つかり、すでに公式からのアップデートが終了してしまっていたとしても、最終のソフトウェアバージョンへアップデートできる」と狙いを明かした。
一方、一連のツイートに対しては「ひそかにroot化されハックされたOculus Questを買ってしまったとしたら、カメラ映像を誰かに覗かれてしまうのではないか」と懸念を示す声も。
これに対しカーマックさんは「これはOculus Goへの施策であってQuest向けではないし、カメラも付いていない。ユーザーにGoのフルコントロールを与えた際にどのような悪いことが起きるかについては今もまだ多くの議論を聞いているところだが、私はこれがユーザーのエンパワーメントになる(力を与えられる)と考えている」とコメントしている。
関連記事
- FacebookのシュローファーCTO退任へ AR/VR責任者の“ボズ”が後任に
Facebookのマイク・シュローファーCTO(最高技術責任者)が来年退任する。初代「シニアフェロー」としてパートタイムになる。後任はAR/VR責任者のボズことアンドリュー・ボスワース氏。 - Facebookのメタバース「Horizon Workrooms」で「Zoom Whiteboard」が利用可能に
Facebookのメタバース「Horizon Workrooms」からZoom会議に参加し、「Zoom Whiteboard」にQuest 2のコントローラーで書き込めるようになる。FacebookとZoomの提携で来年実現する。 - いまさら聞けない「メタバース」 いま仮想空間サービスが注目される“3つの理由”
最近、仮想空間サービスへの注目が再び高まっている。キーワードは「メタバース」だ。仮想空間サービスに注目が集まる3つの理由を紹介する。 - Facebook、メタバース「Horizon Workrooms」のβ版公開 「Oculus Quest 2」で世界中から参加可能
Facebookは「Oculus Quest 2」で参加するバーチャル会議室サービス「Horizon Workrooms」のβ版を公開した。ザッカーバーグCEOが立ち上げたメタバース製品グループのサービス。アバターとして自分のPCとキーボードを持ち込んで参加できる。 - Oculus Quest 2にストレージ128GBの新モデル 価格は64GBモデルから据え置き
米Facebookが、VRヘッドセット「Oculus Quest 2」のストレージを128GBにした新モデルを8月24日に発売する。価格は299ドル。既存モデルのうち、256GBモデルは今後も提供するが、64GBモデルは販売を終了する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.