テンキーで超簡単に弾けるギターっぽい楽器「インスタコード」 「僕にも弾けた」系ガジェットへの挑戦は続く:分かりにくいけれど面白いモノたち(5/5 ページ)
コード弾きをとても簡単にできるようになる、ギターライクな楽器。アプリもある。
インタフェースとしての6つのパッドとアプリ
と、コードを簡単に弾ける部分を詳しく書いてしまったけれど、ここが、この「インスタコード」の、一番分かりにくいけど面白いところなのだ。とはいえ、テンキーを押すだけでは音は出ない。テンキーを押しながら、もう一方の手で、パッドをたたいたり、擦ったりすることで初めて音が出るのだけど、このパッドもなかなか良くできている。
手前のカーソルキーでキーやモードの設定が可能。奥の6つの縦長のパッドが演奏用のインタフェース。上から押さえても横から弾いても弾けるのだが、なんと、1個のセンサーで実現しているのだ。写真は限定のホワイトモデル
最初から、ギターのように弾けるツールを目指していただけあって、6つの細長いパッド型のスイッチが並んでいるだけなのだけど、これが、ちゃんとギターを弾いている気分を味わえるのだ。
「パッドの素材選びや、スイッチの固さ、センサーの感度といった、パッド周りのインタフェースが、結局一番時間がかかりました」と永田氏が話すように、楽器である以上、演奏に直接関わる部分のインタフェースが最も繊細な部分であり、弾きやすさに直結する。ここは、自分を含め、多くの人に実際に弾いてもらって、そのフィードバックを元に、かなり細かく何度も修正したという。
実際、これがかなりギターっぽいフィーリングで弾けるのだ。もちろん、弦ではなくスイッチなので、うまく鳴らすには多少コツはいるが、基本的には、軽く素早く、それこそ「ジャガジャーン」みたいに、スナップを効かせて軽くこするように弾けば大丈夫。
ギターを弾くときの、最も気持ち良い部分であろう、アクションと音の一致というか、ジャーンと弾けばジャーンと鳴る感じが、かなりの精度で再現されていると思う。実際、弾き語りしていて、ギターと比べての違和感はかなり少ないと思った。
パッドなので、指だとやや固いと感じるかもしれないが、そこはピックを使えばオッケー。ピックは、パッドに当たる時のカチャカチャ音が気にならず、しっかりとパッドを押さえてくれるという意味で、アイバニーズのエラストマー製のピックがお勧め。私は、ソフトタイプの1.2mm厚を使っている。
他にも、MIDI(Bluetooth LE MIDI対応で、無線でもつながる)でPCやタブレットについで、音楽作成ソフトの入力に使ったり、パッドをキーボードの用に使っての演奏モード、パッドの一番手前を押さえっぱなしにして、テンキーでメロディーを演奏するスタイル。
内蔵スピーカーだけでなく、ヘッドフォン端子も搭載、USB接続によるファームウェアアップデート機能など、機能はさまざま、遊び方もさまざまなので、詳しくは、公式サイトを参照いただきたい。購入予約も、このサイトで受け付けている。
最後にもう1つ。このインスタコードでいろんな曲の演奏を楽しむには、コード進行をテンキーの数字に変換する必要がある。分かっている人なら、コードを見れば変換できるが、それもなかなか面倒くさい。ということで、インスタコードでは、コード譜をインスタコード用のテンキー譜に変換するスマホ用アプリ「コード譜ライター」が用意されている。
これに、コード譜通りにコードを入力すると、キーとテンキー譜が表示されるのだ。さらに、ユーザー有志の開発による、ChordWiki、U-FRET、楽器.me、J-Total Music!に掲載されているコード譜を、テンキー譜に変換するブックマークレットも登場している。Web上にある多くのコード譜を使って、気軽に弾き語りが楽しめるようになっているわけだ。
この「僕にも弾けた」を超えた「僕にも演奏できた」を実現する新ガジェット、ちょっとこれまでの初心者向き楽器とは別次元の製品なので、とにかく触って、弾いてみてほしい。
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