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製品モデルの色を素早く何度も塗りなおしできるシステム MITなど「ChromoUpdate」開発Innovative Tech(1/2 ページ)

プロダクトデザインのカラーやデザイン確認を効率化させるシステム。

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Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 米MIT CSAILと露スコルコボ研究所の研究チームが開発した「ChromoUpdate」は、プロダクトデザインのテクスチャを素早く何度も転写するためのシステムだ。コンピュータで作成したデザインをUV(紫外線)プロジェクターを用いてその製品モデルに白黒で素早く転写し、異なる色を何度も塗り直すことが可能。デザインの試行錯誤が手軽に行える。

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テクスチャのグレースケールプレビューを60秒で行い(a)新しいターゲットカラーに変更できる(b)

 テクスチャデザインや着色といった試行錯誤は、ソフトウェア上でデジタルコンテンツに対して行うのは容易だが、物理的なオブジェクトになると難しい。塗装したらその上から違う色を重ねられないため、失敗すると一からのやり直しになるからだ。

 今回は物理的なオブジェクトに対して、何度も着色し試行錯誤できる環境をプロダクトデザイナーに提供するのが目的だ。そのために、UV光照射で素材のテクスチャを変化させ、デザインを物体に転写できるシステムを開発した。グレースケールの高速プレビューと、ピクセル単位で他の色に変更する2つの機能を提供する。

 白黒デザインのみを転写する場合、1分程度で完了する。UVプロジェクターではなくUV LEDを使用した先行研究では、同じ結果を得るために9分19秒を要している。UV LEDでは、まずテクスチャ全体を黒く飽和させてから(1分)、可視光プロジェクターで脱飽和ステップ(8分19秒)を経て画像を作成する必要があるためだ。

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