電子回路の壁画を描くロボット 壁を実際に操作できるアプリケーションの一部に:Innovative Tech(2/2 ページ)
米国の研究チームは、壁や窓などの面積が広い垂直面に大規模な電子回路を描くコンパクトなロボット描画システムを開発。平面に単層または多層の回路を自動で形成し、対象平面を直接デジタル化する。
研究チームは、このシステムを駆使してさまざまなアプリケーションを設計した。例えば、制御基板やバッテリー、ポータブルスピーカーなどと接続した、壁に描画のピアノ鍵盤。各鍵盤を押すと設定した音を奏でる。
横に置いてあるコーヒーメーカーを操作するための壁に描画した電子回路。直感的に操作できるようにコーヒーメーカーの絵が描かれており、ボタン部分に触ると遠隔操作で実物のコーヒーメーカーが駆動する。
他にも、人がタッチした場所をリアルタイムに検知する、壁全体に張り巡らされた静電容量式センサーを使い、ガラス上に回路を描画し、周囲の環境から太陽エネルギーを収穫して電力に変換するアプリケーションなど。
対象表面をカットする機能を使ったアプリケーションでは、黒いアクリル板をランプの形をかたどるように切断し、その後にヘッドを変えて電子回路を形成した。切断した複数の部品を組み立て静電容量式センサーやバッテリーなどと接続することで、タッチセンサー付きのランプに仕上げられる。
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Source and Image Credits: Tingyu Cheng, Bu Li, Yang Zhang, Yunzhi Li, Charles Ramey, Eui Min Jung, Yepu Cui, Sai Ganesh Swaminathan, Youngwook Do, Manos Tentzeris, Gregory D. Abowd, and HyunJoo Oh. 2021. Duco: Autonomous Large-Scale Direct-Circuit-Writing (DCW) on Vertical Everyday Surfaces Using A Scalable Hanging Plotter. Proc. ACM Interact. Mob. Wearable Ubiquitous Technol. 5, 3, Article 92 (Sept 2021), 25 pages. DOI:https://doi.org/10.1145/3478118
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