「ポーズ」と「合言葉」がなければ開かない自動ドア、文教大が開発:Innovative Tech
文教大学川合研究室の研究チームは、音声と姿勢で認証する自動ドアの開閉システムを開発。自動ドアに設置したカメラで姿勢推定と音声認識を行い、あらかじめ決めておいたポーズと言葉が合致すれば開く。
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
文教大学川合研究室の研究チームが開発した「ユーザのアクションによって反応する自動ドアの開発」は、音声と姿勢で認証する自動ドアの開閉システムだ。自動ドアに設置したカメラで姿勢推定と音声認識を行い、あらかじめ決めておいたポーズと言葉が合致すれば開く。
従来の自動ドアでは、通行するつもりの無い人が自動ドアの前を通り過ぎるとセンサーが人を認識しドアが開いてしまう。その際、室内の冷暖房で調整した空気が外に漏れて、無駄な電力を消費する。
そこで今回は、ユーザーがあらかじめ設定したアクションとキーワードの発話によって自動ドアが反応する、緩やかなセキュリティを提案。これは自動ドアに遊び心を加え、従来の自動ドアに簡単なセキュリティを付加する。
自動ドアを開かせるために、音声認識と姿勢推定を使用。音声認識にはJuliusを使い、あらかじめ単語や言葉を学習させておき、その中で自動ドアが開くキーとなる言葉を設定しておく。
姿勢推定ではOpenCVとOpenPoseを使い、カメラ映像から人物の骨格を検出し、自動ドアが開くキーとなる記録した骨格と認証する。この骨格検出は、手首までであるため、手に何かを持っている状況下であっても自動ドアが開く。
出典および画像クレジット: 寺島 樹, 川合 康央, 「ユーザのアクションによって反応する自動ドアの開発」「エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集」 2021巻, 84 - 86ページ, 2021-08-23
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