Pixel 6の「日本語書き起こし」は仕事で使えるか 今できること、できないこと(4/4 ページ)
「音声からの日本語自動書き起こしがすごい」と言われるPixel 6。実際に仕事に使っている西田宗千佳さんの手応えは。
「録音同期型メモツール」併用がおすすめ
日々取材の中でこうしたソフト・サービスを使い分けていて思うのは、「メモを残す場合、録音+テキスト(もしくは手書きメモ)の同期は必須」ということだ。
PixelのレコーダーもOtterも、録音+書き起こしの同期機能がある。だから、100%正確でなくてもチェックが容易だ。同時に手動でタイプしたり手書きメモを残したりする場合にも、同時に「メモした時間と同期して録音する」機能があると、後の作業が非常に楽になる。
筆者はMac+iPadを使うことが多いため、メインのメモツールとしては「Notability」を使っている。iCloudでデータ同期するのでMacでもiPadでも同じデータが使えること、手書き(日本文字認識・検索可能)とメモ、写真の混在ができることなどが理由だ。Windows版はないのだが、OneDriveなどを使ってデータ同期はできるのでWindowsからも「iPadやMacでとったメモを閲覧する」ことは可能である。
Mac/iPad用のメモツールとして愛用している「Notability」(App Storeへのリンク)。以前は買い切りのアプリだったが、先日、試用は無料+年間サブスクリプション1300円、という料金形態に変わった
Windowsがメインの人の場合には、「OneNote」がベストだろう。Mac版もあるし、Webやスマホ版でのデータ活用もしやすい。筆者は「機能がシンプルで、あまり悩まず使える」点を評価してNotabilityを使っているが、その辺は個人の好みで。
現状では、メインの記録としてまず「自分でメモを取り」、それと同期する形で「取材の様子を録音」しておき、さらに「録音+テキスト書き起こし」の機能を使って、自分が取材中にとったメモと内容を突き合わせる……という形がベストだと感じている。
複数のツールを使っているので複雑に見えるかもしれない。だがこれでも、昔のように「録音を聞きなおしてテキスト化する」時間が長引くことがなくなった分、快適だ。不安な部分の文言をチェックする手間も減っている。
本当は、これらの「録音機能を持つノートアプリ」に、録音からの文字書き起こしの機能がついたり、書き起こしアプリ・サービスとの連携が搭載されたりするのが望ましいのかもしれない。
「録音+書き起こしが、もっとも正確なメインのメモ」で、その場での印象の書き残しはサブとして参照するメモになる……という時代が来ると思うし、その日が近いことを期待しているが、今は、メモツールを書き起こしツールで補う構成がベストな取材手法だ、と筆者は考えている。
関連記事
- Pixel 6 Proにしてよかった……のか? でも拷問には強い
10月末発売の「Pixel 6」シリーズはなかなかの評判で米国の公式ストアでは購入困難な状態に。今回の「Googleさん」は、そんなPixelの四方山話です。 - Pixel 6 Proのカメラバーが思いのほか便利な理由 翻訳・字幕も試してみた
Googleの久しぶりのハイエンドスマートフォン「Pixel 6 Pro」。背面をどーんと横断するカメラバーは使ってみたら便利です。「Google Tensor」による英語から日本語へのリアルタイム翻訳字幕や日本語音声文字変換も使ってみました。 - 「Pixel 3」以降でもボイレコの日本語文字起こしが使えるように
米Googleのスマホ「Pixel 6/6 Pro」向けに搭載していた一部機能を旧モデルにも展開する。ボイスレコーダーアプリの日本語文字起こし機能などがPixel 3以降でも使えるようになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.