2年ぶり開催の“コミケ”、新型コロナ対策はどうだったか? コミックマーケット99参加レポート(2/2 ページ)
コロナ禍で2年ぶりの開催となってしまったコミックマーケット。数々の感染症対策として、新しい入場方法などが取り入れられている。実際にサークル出展した筆者がその模様をお伝えする。
会場内での感染症対策には「キャッシュレス決済推奨」も
会場内における感染抑制対策の各自実施については、ブース内スタッフの最小限配置、頻繁な消毒の実施と合わせて、キャッシュレス決済の導入を推奨していた。また、それに関連してキャッシュレス決済の方法としてQRコードを使う「Circle PAY」(正確には既存のQRコード決済と接続できる手段を提供するサービス)がコミックマーケット準備会販売ブースをはじめ、コミケ99参加サークルで広く採用されていた。
11月12日に申し込みサークルに送られてきた“当落メール”でも「CirclePAYに登録して非接触決済を利用しよう!」と案内があった……が、申し込みをうっかり忘れていた筆者は、コミケ会場のCirclePAYブースでQRコードの発行に挑んでみた。
本人登録は前日までに済ませておいたとはいえ、設営の朝に申し込む時間ができるだろうか。できたとしても、一般参加者の入場が始まる午前10時までにQRコードが発行されるのだろうか──そんな疑問を抱きつつ、かつ、会場入りが遅くなって設営開始が遅れてしまった焦りの中で何とか設営が完了したのが午前9時20分。
「うわっ、こりゃもうだめかも……」と諦めつつも東1ホールにあるCirclePAYブースに向かい、「サークル当日申込受付」カウンターでQRコードの発行をお願いできたのがちょうど午前9時30分。
……その5分後には、発行されたQRコードを張り付けたPOPスタンドを自分のブースに建てることができたのであった。
筆者が配置されたのは評論情報島の医療情報関連のサークルが集まったエリアで、どちらかというとのんびりとした時間が流れる穏やかな地区だった。入場者数を従来の4分の1程度に抑え、かつ、配置したサークル数も3分の2に抑えて通路の幅を広くしたこともあって、行きかう人の密度は格段に低くなったもの、それでも、人の往来が途切れることはなかった。
COVID-19の感染拡大が続く中で大規模イベントに対して批判的な意見がどうしても目立ってしまっていたが、少なくとも私の目に映ったコミケ99参加者は、ほぼ全員がマスクを正しく着用し、大きな声で会話することもなく、まさに“粛々と”コミケを楽しんでいた。
感染対策が有効に機能したのか否かの評価は今後数値となって示されることになると思うが、少なくとも現場で目撃した限りでは、コミケ99の感染抑制対策は適切に実行されていたと評価できるだろう。
関連記事
- コミケ準備会、政府のワクチン接種確認アプリ使用は「どうしても必要な方のみ」
コミックマーケット準備会は23日、政府の「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」も「コミックマーケット99」入場時の確認に使用できると発表した。ただし「どうしても必要な方のみ」に限定する。 - コミケ準備会、「TOKYOワクションアプリ」事前登録呼びかけ 入場時の時間短縮のため
コミックマーケット準備会は、コミケ99参加者に向け、「TOKYOワクションアプリ」の利用を呼びかけた。当日登録しようとしても完了しないため事前登録を求めている。 - 冬コミのサークルチケット、4万円で転売も 準備会、出品取り下げ求めるメッセージ送信
冬コミのサークルチケットがフリマサイトなどで4万円前後で取引されている。準備会は出品者に対して、出品を取り消すようメッセージを送っているという。 - 年末「コミケ99」は1日5万5000人規模に ワクチン接種証明など求める
コミックマーケット準備会は12日、年末の「コミケ99」を1日当たり5万5000人規模で開催すると発表した。政府の「ワクチン・検査パッケージ」の技術実証に参加する。 - コロナ禍で盛り上がるバーチャルイベント 普及の鍵は「スマホ参加型」にあり
仮想空間上の「お台場」や「渋谷」で開催したイベントに数十万人が参加した。高価な機材を使うVRと違い、スマホで参加できるバーチャルイベントは今後のイベントの鍵になりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.