日常生活に防災要素を取り込む「防災スタイル」を定着させよう:デジタル防災を始めよう(3/3 ページ)
防災スタイルは、普段の生活と防災、災害時の避難生活がシームレスに移行できるような取り組みだ。
禍福は糾える縄の如し
フリーアドレスやリモートワークの体制をゆるく準備していた企業はコロナ禍でも大きな障害なくリモートワークへ移行でき、準備できてなかった企業よりも低コストで新型コロナウイルス対策ができ、効率的な設備投資ができたはずだ。既存の仕組みを変えることは反発を招く場合もあるがそれにめげずに進めていたおかげで、助かった人たちがいたことと思う。
不織布マスクにしても、Webカメラにしても、そもそも花粉症などで備蓄を持っていた人やオンラインミーティングなどで普段から使っていた人は急に活用頻度が上がっても手持ちの備蓄や機材で乗り切れたが、何も備えていなかった人の中には、高騰した物や品質の悪い代替品をやむを得ず購入した人もいたのではないだろうか?
極端な例で言えば、なぜかUVC(USB Video Class:USB接続したカメラをWebカメラとして使う規格)に対応していたSIGMA fpというミラーレスカメラを買っていた一部のマニアックなカメラユーザーが、リモートワークに移行した際に異常に高画質なオンラインミーティング環境を構築できたことで話題になり、カメラメーカーが自社カメラをWebカメラとして活用する対応に追われたという事例もある。
その後高画質なオンラインミーティングブームや、企業が記者発表会をオンライン発表会で行う動きなどもあって、コロナ禍で旅行やイベントがなくなり需要が低下していたカメラ業界にとって干天の慈雨となった。
できることから少しずつ始めよう
今まで紹介してきた対策や、一般的に推奨されている防災対策を一気に導入しようとすると、コストがかかり、自分たちにマッチする内容にアレンジするのも時間がかかる。まずできることから始めてみよう。
地震対策では家具の転倒防止対策をするのがベストだが、行動範囲の中で、転倒したら動線を塞いで逃げられない、怪我をしそうな危険箇所を意識して行動するだけでも大きな違いがある。
モバイルバッテリーを買うときに、少し容量の多いものを選ぶとか耐久性のあるモデルを選ぶとか、防災を意識した選択をするだけでも良いだろう。
本連載「デジタル防災を始めよう」では、個人でできることから企業の担当者が参考になるものまで、今後も紹介してゆく予定なのでチェックしてもらいたい。
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