初代ハンディカムは録画専用だったって知ってる? ホームムービー第1世代がオーディエンス側になって思うこと:CloseBox(5/5 ページ)
家庭用ビデオカメラ市場が縮小しつつある今、その市場の立ち上がりから終わるまで、さまざまなビデオカメラを使ってきた筆者が昔語りをします。
ポスト・ビデオカメラ時代の家族ムービーの在り方
今ならどうだろうか。
2021年末、長男に息子が産まれた。いわゆる初孫というやつである。以前述べたように、息子夫婦はビデオカメラも一眼も買うつもりがない。iPhoneで十分なのだ。
ここから僕は撮る側から撮ったものを見る側に回る。そうなったときに、iPhoneで撮って、それをアプリで共有するという仕組みがおそろしくよくできているのに気づく。
息子夫婦が使っているのは、「家族アルバム みてね」というアプリ。毎日、いや、数時間おきに新しい写真やムービーが追加される。その通知が届くと見てにやけてしまう。mixiが作ったこのアプリはLINEとも連携するが、写真を介したコミュニケーションみたいなものもできる。そういえば、mixiには写真機能もあったっけ。
息子夫婦もiPhoneのカメラで撮っている。縦動画、縦写真がほとんどだ。そしてこちらもiPhoneの縦画面で見る。手に持ったiPhoneの先には孫がいるかのように感じ取れるのは、その自然なアングルによるものだろう。
これから、自分では積極的に撮るものがない人生が続いていくわけだが、撮るものがあって、それを見てくれるオーディエンス(家族とか友人とか)がいる人は、高級一眼カメラやビデオカメラで撮影した写真、ムービーよりも、iPhoneやAndroidで切り取ったさまざまな表情をコメント付きで送ってくれた方がいいのかもしれない。
何かプレゼントを贈ったら、それを使っているところの写真を返してくれる。僕が贈ったバウンサーに座った写真や動画が送られてきている。お祝い返しより、こちらの方がよほどありがたい。これから定着させたい慣習だ。
コミュニケーションのきっかけとしての写真と動画。
ポスト・ビデオカメラの時代となり、カメラが持つ重要性は失われつつあるけど、撮られたものの価値は増している。今はつくづくいい時代だと思う。
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