違法音楽アプリ「MusicFM」、ユーザー大幅減 「法改正や利用面での不満が影響」
「MusicFM」「MusicBox」といった違法音楽アプリの利用者数が減少傾向にあることが分かった。日本レコード協会によれば、2020年3月の調査では246万人、同年9月には81万人いたところ、21年11月の再調査では37万人まで減っていたという。
日本レコード協会は2月25日、「MusicFM」「MusicBox」といった違法音楽アプリの利用者数が減少傾向にあるとの調査結果を発表した。2020年3月の調査では246万人、改正著作権法が部分的に施行される直前の同年9月には81万人、施行後の同年11月は64万人と、これまでも減少傾向にあったが、21年11月に再調査したところ37万人まで減っていることが分かった。
「法改正の効果や違法音楽アプリの利用面での不満が影響している」(同協会)という。実際に違法音楽アプリの利用をやめた人にその理由を聞いたところ、最も多い理由は「安全ではない感じがするから」(31.8%)。以降は「使いづらいから」(27.3%)、「聴けない曲やアーティストが多いから」(24.5%)、「広告が多いから」(22.7%)と続いた。
違法音楽アプリの利用をやめた人の移行先は「YouTube」(40.1%)がトップ。他には「定額制音楽配信サービス」(32.6%)、「無料音楽アプリ・サービス」(29.6%)が上位に挙がった。
海賊版コンテンツにユーザーを誘導する「リーチサイト」の利用者も減った。20年11月の調査では59万人だったところ、21年11月の調査では39万人まで減ったという。一連の調査は21年11月26日から30日にかけて、12〜69歳の男女5万人を対象にWebアンケート形式で実施した。
20年10月に施行が始まった改正著作権法では、権利者の許可なくコンテンツを配信するアプリを運営・提供したり、許可を得ていないコンテンツに誘導するリンクを違法音楽アプリに提供したりすることが罰則の対象となる。
違法音楽アプリの運営や提供は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、違法にアップロードされた著作物のリンクを違法音楽アプリに掲載すると3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金などが科せられる。
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