空気中の飛沫を吸引する空気清浄機、近畿大学などが開発
近畿大学の研究チームは11日、空気中を漂う飛沫を吸引して除菌する機能を持つという空気清浄機「eLENA Lin」(エレナリン)を発表した。フジデノロと共同で商品化した。
近畿大学医学部の門前一教授(保健衛生学)を中心とする研究チームは3月11日、空気中を漂う飛沫を吸引して除菌する機能を持つという空気清浄機「eLENA Lin」(エレナリン)を発表した。医療機器の製造販売を手がけるフジデノロ(愛知県小牧市)と共同で商品化、28日から9万円(税別)で販売する。
換気が十分な場所ではクラスターの発生が少ないことに着目し、人と人が対面する空間で会話や呼吸などで発生する飛沫を吸引する装置を開発した。吸引後はLEDで紫外線を照射し、ウイルスを不活化させる。
クリーンルームで行った実験では細かい飛沫を模した煙、大きな飛沫を模したミストを90%以上低減。捕集したウイルス(ヒトインフルエンザウイルスで検証)は紫外線照射により5分間で約99%不活化したという。研究チームは「感染拡大対策としての有効性を確認した」としている。ただし、実際に感染が考えられる場面での利用時にどれほどの効果があるかについては言及していない。
開発にあたっては医療分野での作業環境測定の知識を生かし、医学物理の専門家が空気の流れを検証した。生物学的な検証を担当した近畿大学医学部教育センターの藤田貢准教授(腫瘍免疫学、感染症学)は「新型コロナウイルスはたとえ飛沫が少量であっても感染しうるものであるため、ウイルス粒子を含む空気の制御は根本的な問題解決方法の1つといえる」としている。
【訂正:2022年3月15日午後2時38分更新 ※初出時に(税込)としていましたが、正しくは(税別)です。おわびして訂正いたします】
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