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パン・チルト・ズームができるWebカメラでワンオペがはかどる 「OBSBOT Tiny 4K」の意外な使いどころ小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

高額だが、その値段を出すに値するWebカメラを見つけた。配信のワンオペができるのだ。

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 2020年にコロナ禍が始まって真っ先に売り切れたものと言えば、マスク、消毒液、Webカメラである。いや多少話を盛ったが、突然リモート会議が打ち合わせの主流になり、Webカメラが爆売れして価格が高騰したのは事実だ。

 記憶に残るのは、手軽で高性能として人気商品だったLogicoolの「C920n」だ。もともと7500円ぐらいの商品だが、Amazonで過去の価格をトラッキングしてみると、2020年4月に新品で3万4800円、中古で3万6800円を記録している。

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2020年4月にWebカメラが一気に高騰した

 この追い風を受けて、デジタル一眼をWebカメラ代わりにするユーティリティが出たり、新機種にWebカメラ機能を盛り込んだりと、カメラメーカーもWebカメラ化の市場の大きさに気が付いていったという経緯がある。

 今Webカメラの平均値は5000円ぐらいだろうか。安いものでは1000円台で、高いものでもよほど特殊な機能を搭載していない限り、1万円を超えるものはほとんどない。

 そんな中で、その「特殊な機能」を搭載しているのがOBSBOTのTinyシリーズである。4KとHDの2タイプがあるが、Webカメラでありながら、パン・チルト・ズーム機能を備えた。据え置き型でパン・チルト・ズームを備えたカメラを、俗に「PTZカメラ」という。Pan・Tilt・Zoomの頭文字を取ったものだ。

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OBSBOT Tiny 4K

PTZかジンバルか

 これまでPTZカメラは、監視カメラをスタート地点として発展し、画質向上を果たして会議システムや、ワンマンオペレーションのWeb番組などで使われてきた。特にコントロールと映像、電源がLANケーブル1本で伝送できるようになってからは、常設だけでなくテンポラリー的な配信事業でも使われるようになっていった。

 もう1つPTZカメラ的な流れとして、「ジンバルカメラ」がある。「ジンバル」はドローン搭載カメラ台座として進化が始まり、のちに小型カメラ用の姿勢安定装置として、従来から存在した重量バランスで姿勢制御する「ステディカム」のように使われるようになっていった。もっとも身近な製品としては、DJI Pocketシリーズがある

 ジンバルカメラも一種のPTZカメラであるとするならば、これまでは「固定+IP」か、「ハンディ+スタンドアロン」という2択だった。

 一方でUSB接続するWebカメラは、2000年にブームはあったものの、根底から進化するようなものではなかった。そこに、USB接続するPTZカメラが登場した、という流れである。

 製品スタイルから固定IPカメラに近いのかと思われるかもしれないが、OBSBOT Tinyシリーズの出自を調べてみると、先にスタンドアロンの「OBSBOT Tail」という製品があった。つまり「半固定+スタンドアロン」という変わった立ち位置からスタートしているのだ。ただこの製品は2021年4月に搭載AIチップの生産終了に伴って本体も生産終了となっている。

 OBSBOT Tinyシリーズは、先行したOBSBOT Tailのバッテリー、記録部分をなくして小型化し、USBカメラ化したもので、出自はジンバルカメラだが、使用感は超小型PTZカメラという位置付けになる。

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サイズはかなりコンパクト
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