Apple最後のデジカメを再起動したらMac Studioの祖先まで巻き込んだタイムトラベル的結末に:立ちどまるよふりむくよ(5/5 ページ)
Apple最後のデジカメ「QuickTake 200」を家の中で見つけたら、その中に貴重な写真が。これを取り出すにはどうしたらいいのか。
妻の写真をこの手に
でも、この場合は勘弁してほしいと思いながら、ならば物理だ、と思い直す。Amazonの新生活セールで、Chrome OS Flex用に購入したUSBメモリを使うのだ。
1階にあるM1 iMacでWindows版ドライバをダウンロードして届いたUSBメモリにコピー。それを2階のDell PCに移す。スニーカーネットじゃなくて、ソックスネットである。裸足だったらベアフット(フィート?)ネットだ。そういえば、なぜ物理的にデータを移すことをスニーカーネットといったかというと、SneakernetとEthernetは見事に韻を踏んでいるからだと今ごろ思い至った。
ドライバをインストールする。この頃は自動インストールではなく、いちいちドライバの場所を指定するという太古の儀式をやらないといけないのだ。そしてようやくQuickTake 200のスマートメディア(5V)を認識した。
全ての壁はこれで突破できた。「ヒャッホー!」と叫びながらミレニアム=ファルコンでベーダー卿専用TIEファイターを弾き飛ばしてくれたハン・ソロたちのように、Dell PCは見事にApple製デジカメの写真を救出してくれたのである。
解像度は640×480ピクセルと粗いが、ちゃんとした写真だ。QuickTake 200の液晶モニターでは分からなかったが、妻の表情もきれいに収めている。
せっかくなので、以前試したReminiのAI超解像機能を使ってディテール補完してみた。
今から20年前、25年前にはその時代でしか存在しない通信手段がメインだった。現代とデジタルデータを共存できる手段はあったとしてもごくわずかだ。自分が20年前、スマートフォンもない時代に戻ったときにどう動いたらいいのか、これは映画のネタになりそうである。
妻の1枚の写真を復元するという、ごくごくプライベートな話ではあるが、23世紀の未来から1986年にタイムトラベルし、Macintoshのマウスを手に持って音声入力しようとするスコッティーが登場する「スタートレックIV 故郷への長い道」や、ピカードが2024年の地球に戻る「スター・トレック ピカード」の第2シーズンと共通する部分もある出来事だった。
ともあれ、妻の写真は手にすることができた。今夜は夢の中で逢えるといいな。
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