ガラスに貼れる透明な吸音パネル、落合陽一さんのベンチャー企業とイトーキが共同開発
イトーキは19日、ガラスに貼れる透明な吸音パネル「iwasemi HX-α」を発表した。落合陽一さんがCEOを務めるピクシーダストテクノロジーズと共同開発した。
オフィス家具のイトーキ(東京都中央区)は4月19日、ガラスに貼れる透明な吸音パネル「iwasemi HX-α」を発表した。メディアアーティストで筑波大学准教授の落合陽一さんがCEOを務めるピクシーダストテクノロジーズ(東京都千代田区)と共同開発した。オフィス用として夏頃に発売する。
1つ約225gと軽量な6角形のピースをいくつも組み合わせ、粘着テープなどで壁や窓に貼る吸音パネル。人の声を含む500Hzから1000Hzの周波数帯を抑える音響特性になっていて「ガラスに囲まれた会議室につきまとう反響を抑え、話しやすい空間にする」としている。
一般的な吸音材はグラスファイバーなど多孔質の素材を使って作るが、iwasemi HX-αは固い樹脂製で、中は空洞だ。ピクシーダストテクノロジーズの「iwasemi」(イワセミ)という音響メタマテリアル技術を使って開発したという。
音響メタマテリアル技術とは、電磁波や光の分野で研究が進むメタマテリアル技術(波長以下の微細な周期形状を物質に付与することで自然界にない振る舞いをする人工物)を音響分野に応用するアプローチ。多数の共鳴吸音構造を周期的に並べ、コンピューターによる計算で音響特性をデザインできるという(特許出願中)。
落合さんは説明動画の中で「共鳴構造のサイズや共鳴管の配置を変えると特定の周波数だけ反射したり、吸音したりと音響特性を変えられる。それを可能にしたのがiwasemiというプロダクト。吸音材の素材選びが楽になった」と説明している。
イトーキは、iwasemi HX-αを26日から東京ビッグサイトで開催されるオフィス家具の展示会「オルガテック東京2022」に出品する。
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