新機能「サークル」でTwitterはどこへ向かうのか:小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)
Twitterの新機能「サークル」は現在起きている炎上問題などを解決してくれるだろうか?
ここ最近、久しぶりにネットがTwitterの話題で湧いている。そもそもはイーロン・マスク氏が440億ドル(約5.6兆円)という巨額でTwitterの買収に乗り出したことが発端となり、ついに有料化かという噂も手伝って、今となっては炎上製造工場化している現状をどうにかしてくれるのではないかと期待が高まっているところである。
それに加え、この連休中に新機能「サークル」(Twitter Circle)が一部のユーザー向けにテスト公開されている。結構大がかりな機能なので、マスク氏買収以前から開発されてきた機能だと思われるが、これもまたタイミング的にTwitterの浄化につながるのではないかといわれている。
現時点で分かっている「サークル」の機能をまとめると、
- サークルとは、1アカウントにつき1つ作成可能なリストのようなもの
- 投稿者はフォロワー全員か、サークルかを選んで投稿できる
- サークルに追加できるのは150人まで
- サークルの全メンバーを確認できるのは作った人だけ
- サークルへ誰かを追加・削除しても相手には通知されない
- サークルに投稿したツイートは、リツイートできない
ということのようだ。
もともとのTwitterの仕組みは今さら解説するまでもないと思うが、フォロー機能によって特定の人をウォッチできるものの、鍵付きアカウントにしない限り誰でも見られる、オープンなSNSである。それを今度は、伝達する人を限定し、閉じられた世界も併せ持つようにしようということことのようだ。
自分が誰にフォローされるかは、事前にコントロールできないのがTwitterの特徴だ。「友だちになる」のようなアクションではなく、「勝手にウォッチする」ものである。したがって、何かを広く告知したい人には便利なSNSである。
一方でサークルは、自分のフォロワーの中から、伝えたい人を限定できる。つまりフォロワーという集合の中に、もう1つの集合ができるわけである。これはつまり、不特定多数に伝わることを目的としない活動ができるということだ。
こうやって整理すると、いろいろツッコミどころが見えてきたのではないだろうか。では順にツッコんでいこう。
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