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いまだに新車でボディーコーティングしてるの!? 現場のプロに聞くペイントプロテクションフィルム最新動向西川善司の「日産GT-Rとのシン・生活」(2/7 ページ)

西川善司さんによる国産高級スポーツカー「GT-R nismo Special Edition」連載、今回は前回に続き、車体の保護について。

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ボディーコーティングではなくPPFを選ぶということの意味

 今や、ガソリンスタンドでも給油中に「ボディーコーティングしませんか」と声を掛けられることがあったりする。それだけボディーコーティングが一般化しているということだが、あえてPPFを選ぶことにはどんな意味(メリット)があるのだろうか。

 「やはり飛び石に対する耐久力の高さですね。PPFは厚みがあるため、高速道路の走行中に受ける常識的なサイズの飛び石であれば塗装面に傷がつくことはまずありません。PPF自体は軟質な素材ですが、とても強い耐衝撃性能があります」(鷹松氏)

 ちなみに、筆者の愛車にも施工されたXPELのULTIMATE PLUSは、メーカー公称値だと厚さは約0.2mm(200μm)で破壊限界耐久圧力が15Mpaと発表されている。キログラム換算で約153kgf/cm2なので、1cm×1cmあたりに153kgの圧力が掛かっても破れないということだ。これはなかなかの耐衝撃性である。

PPFメーカーのFlexShiedが自社PPF製品の耐飛び石性能を検証している動画

 ボディーコーティングは、もともと塗装面の劣化を防いで塗装面を美しく保つために誕生したものであり、用途がPPFとはまるで違うのだ。確かに、かなり高硬度な9Hクラスのコーティングであれば、PPFには及ばないまでも、ある程度までの飛び石衝撃に対しても耐久力を発揮する場合もある。

 しかし、衝撃を受けたコーティング皮膜部分は一度破損してまえば元に戻ることはない。高級車などの塗装面は非常に複雑な多層塗装が行われているため、部分塗装で補修するのも難度が高い。

 「PPFは樹脂なので衝撃で変形しても自己復元能力があります。つまり、PFFは、飛び石を受けて塗装面を守って凹んだ部分が元の平面に戻るんです。気温が20℃もあれば、放置しておけば時間経過で復元します。気温の低い冬場や、速効で復元したい場合などは、お湯に浸したタオルをあててやるだけで十分です」(鷹松氏)

 鷹松ではボディーコーティングの施工にも対応しているが、飛び石対策にはボディーコーティングよりもPPFを積極的に勧めているそうだ。

 それと、実は、PPFは横方向の引っ張り方向にも高い耐久力があり、剪断応力にも相当な耐性がある。そもそもPPFは樹脂製なので「伸び」方向への耐久力が高いのだ。具体的にはXPELのULTIMATE PLUSだと、真逆の2方向に引っ張った時の耐久力は200%と公称されている。つまり、2倍の長さにまで伸びて堪えることができるということだ。

 よって、ボディー面を電柱や壁にこすってできてしまった擦り傷もPPFならば塗装面への被害を最小限にできる可能性がある。下はXPELのULTIMATE PLUSのデモ映像だが、まさにそうした局面を再現した場面があるので参考にして欲しい。

1分15秒あたりで意図的に「擦り傷」を作る場面がある。PPFならば擦り傷の衝撃も受け止められる!

 「万が一、何らかの事象で、施工後にPPFにダメージを負ってしまった場合は、有償になりますが、その部位に対する部分PPF施工はできますので、何なりと相談してもらえればと思います」(鷹松氏)

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