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PCの在り方をMicrosoftとIntelが規定した時代 PC 9x/200x System Design Guideとは何だったのか“PC”あるいは“Personal Computer”と呼ばれるもの、その変遷を辿る(4/5 ページ)

PCをその源流から辿っていく連載の第19回は、Hardware Design Guide、System Design Guideとは何だったのかという点について。

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コネクターの色分けを定義

 使い勝手の面でも、このPC 9xシリーズは大きく貢献した。例えばPS/2キーボードとPS/2マウスのコネクターはPC 97で導入されたし、PC 99ではI/Fの色別の区分けが初めて定義された(写真2)。

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写真2:PC 99 System Design Guideより。Parallel PortとかIEEE 1394などがまだ残っているのが時代を感じさせる。

 この色の区分けは現在も利用されている(写真3)。

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写真3:猫の毛とか埃まみれなのは筆者宅の仕様なのでご容赦いただきたい。Mic-Inがピンクとか、Line Outがライムなのは、PC 99のColor-coding schemeに定められているからだ

 これは例えばヘッドフォンをバックパネルにつなぐときに、「同じ色のコネクターを同じレセプタクルとかプラグに装着する」という、使いやすさを高めるための工夫である。

 加えて、新しいデバイスの定義もいろいろ行われた。例えばPC 97ではBaseline Audio for PC 97(写真4)とPC 97 Advanced Audioという新しいAudio I/Fの基準が定められた。

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写真4:このBaseline Audio for AC 97がいわゆるAC 97 Codecの基準になっている。最小構成だとモノラル出力でも良い、というあたりは今から考えればびっくりである

 これが俗に“AC 97”(Audio Codec 97)と呼ばれるもので、まずはマザーボードにAC 97 Codecを標準搭載、その後はサウスブリッジにCodecそのもの統合することで、いわゆるオーディオカードの需要がたちまち消え失せることになった(ここでいち早くAC 97 Codecをリリースしたことで、マザーボードベンダー向けに膨大な売り上げを確保したのが台湾Realtek Semiconductorである)。

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