Google、100兆桁の円周率計算で世界記録更新 GCP活用で 100兆桁目の数字は?
米Googleが、クラウドサービス「Google Cloud」の技術を活用し、100兆桁の円周率を計算することに成功した。同社が円周率計算の世界記録を達成するのは2019年以来2度目。
米Googleは6月8日(現地時間)、クラウドサービス「Google Cloud」の技術を活用し、100兆桁の円周率を計算することに成功したと発表した。同社が円周率計算の世界記録を達成するのは2019年以来2度目。19年当時は31兆4000億桁を計算し、21年にはスイスの科学者が62兆8000億桁を計算していたが、これらを上回る結果になった。
100兆桁の計算に当たっては、Google Cloudで仮想マシンを立ち上げる「Compute Engine」を活用。128個のvCPU(仮想CPU)、864GBのメモリを搭載し、100Gpsの下り帯域幅が利用できる「n2-highmem-128」というインスタンスを立ち上げ、計算用ノードとして使った。OSには「Debian Linux 11」を採用した。
この計算用ノードに、計算結果を出力する32個の「ストレージノード」で構成されたクラスタを接続。各ノードには容量10.359TBのディスクを2つずつ接続し、約663TBのストレージ容量を確保した。実際の計算では、このうち最大515TBまで利用したという。
円周率は、2021年10月14日から22年3月21日に渡って、157日間23時間31分7.651秒かけて計算した。ディスクの読み込み、書き込み量の合計は、順に43.5PB(4万3500TB)、38.5PB(3万8500TB)だったという。
計算結果が正しいかどうかは「Bailey-Borwein-Plouffeの公式」という別のアルゴリズムを活用して確かめた。Googleによれば、100兆桁目の数字は0だったという。計算結果や、計算に用いたスクリプトは、それぞれデモサイトやGitHubで公開している。
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