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日本のメディアはWWDCをどう報じたか Apple報道のエコシステム、その実態を探る小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

WWDC22ではM2搭載MacBook Airをはじめとする多数の製品発表が行われ、それらを報じた記事の数も膨大なものとなった。その内訳から、報道の実態がどのようになっているのかを探ってみた。

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 現地時間の6月6日から10日まで、米国カリフォルニア州クパチーノにあるApple本社にて、WWDC(Worldwide Developers Conference)が開催された。もともとは開発者向けの有料カンファレンスであり、新OSや新機能の情報開示のほか、開発ツールのアップデート情報などを得たり、開発者同士の情報交換などがメインのイベントである。

 だが一般にも広く認知されているのは、オープニングの基調講演が新ハードウェアの発表の場にもなっているからだ。新ハードウェアに対してどうアプリケーションを開発するかも、重要な情報開示だからである。

 今年のWWDCで発表された目玉といえば、やはりM2プロセッサ搭載のMacBook Airだろう。逆に言えば全くの新規となるハードウェアとしてはこれしかないことから、多くのメディアが集中的に報じている。

 世界中約200万以上のサイトに埋め込まれたトラッキングコードを分析し、シェアを測定するStatcounter Global Statsによれば、今年5月時点のデスクトップOSでのmacOSシェアは、今年5月の段階で約10%しかない

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日本市場におけるデスクトップOSのシェア

にも関わらず、そのシェアに見合わない熱量で報道されるのは、iOSのシェア、すなわちiPhoneのシェアが日本では64%という圧倒的位置を占めるからだ。参考までにワールドワイドでのiOSのシェアは、28%程度である。

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日本市場におけるモバイルOSのシェア

 本稿では、溢れんばかりの報道の中で、ネットメディアがこのイベントをどのようなスタンスで報じたのか、またそれによって具現化している「Apple報道経済システム」の姿を論じてみたい。

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