日本製品のいつか来た道
その様子はまさに中国でのPSP(プレイステーションポータブル)や、カシオのフリースタイルデジカメ「EX-TR」シリーズとかぶる。
中国でスマートフォンが普及する前の話だが、中国で公式に発売されていないPSPが大量に海外から中国に運ばれて、多くの人が海賊版ゲームをプレイしてたり、音楽を聞いたりしていたときがあった。地下鉄の一車両に数人はPSPに夢中になる人がいるくらい普及していた、そんなときがあった。
それでも現在中国の公式ゲーム機市場は日本に比べてずっと小さく、スマートフォン向けゲームが人気だ。カシオの「EX-TR」シリーズは中国では自撮り神器と呼ばれ、トレンドに敏感な都市部の女性に人気を得ていた。ただマイナーバージョンアップを繰り返す中で、利用者の関心は失われ、話題を見ることはなくなっていった。
中国でヒットし続けるには、ハードウェアにおいては新製品への新技術の積極的な導入を行い、ソフトウェアではAndroidなどの導入で多機能に、他のサービスも利用できるエコシステムの上にあり、さらに海賊版問題に直面しつつ無料で利用できる仕組みづくりが必要だったというわけだ。
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