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Metaだけではない ジャパンディスプレイ、ソニーも追う、新世代HMDの技術トレンドとは何か(1/7 ページ)

Metaが試作中のVR HMD試作機を大量に公開した。同社が突出しているように思うかもしれないが、実は他のメーカーも同じ方向で技術開発を進めている。新世代HMDはどのようになるのか、西田宗千佳さんが解説する。

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 先日、Meta(旧Facebook)が、試作中のVR用HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)を多数公開した。その数を見ると、まさに「本気」としか言いようがない。

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Metaが公開した試作HMD群。圧倒的な数だ

 一方で今年に入り、「Nreal Air」や「MeganeX]をはじめとした、新しいディスプレイを使った小型・軽量の製品も現れ始めている。

 ここで改めて、HMD向けのディスプレイトレンドがどのように変わっていくのかを予測してみたい。

HMDはどんな仕組みなのか

 トレンドを考える前に、HMDの構造をおさらいしておこう。

 HMDは、目からかなり近いところにディスプレイを配置し、それをレンズなどの「光を目まで導く仕組み」を使って目に届け、「視界全てをディスプレイで覆う」ことを目指したものだ。

 以下の図はMetaが試作機「Holocake 2」を説明するために使ったものだが、目とレンズ、ディスプレイデバイスの関係がイメージできるのではないだろうか。

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Metaが試作機「Holocake 2」説明用に公開した図。目とレンズ、ディスプレイの関係が分かりやすい

 「VR向けのディスプレイには、平面のディスプレイと違って多数の課題があり、その多くはまだ解決途上である」。Metaの研究部門であるReality Labのチーフ・サイエンティストであるマイケル・エイブラッシュ氏はそう話す。

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Reality Labのチーフ・サイエンティストであるマイケル・エイブラッシュ氏。「Quake」のオリジナルプログラマーであり、Valveでもマネージング・ディレクターを務めた

 VRの場合、通常のディスプレイにもある表示品質の問題に加え、それをどう目に導くか、これらの機構をどう小型にするか、という課題が掛け算で影響してくるので、とても大変なのだ。

 中でも重要なのは「解像感」を満足させることと、HMD自体を小型・軽量にすることだ。本記事でも主に扱うのはこの2点である。

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