au通信障害、「デュアルSIM」を使えば大丈夫だった? スマホユーザーが考えたい有事への備え(2/2 ページ)
auの大規模通信障害をきっかけに、トラブルへの備えとして注目を集める「デュアルSIM」。障害の回避に向けた使い方や利用に当たっての注意点を整理する。
契約する回線やスマホ機種に注意 デュアルSIMの確認点
一方で、こういったデュアルSIMのメリットを享受するに当たっての注意点もいくつかある。1つは契約する回線だ。
KDDIで発生したような障害への対策としてデュアルSIMを使う場合、同じキャリアの回線を契約してもあまり意味がない。使っている通信網が同じなので、障害時には両方が使えなくなる可能性がある。
特に注意が必要なのは、MVNO(いわゆる“格安SIM”)のプランを使う場合だ。MVNOは自社で通信設備を持っているわけではなく、KDDIなど大手キャリアのインフラをレンタルしてサービスを提供している。
仮に大手キャリア側で障害が起こると、MVNO側も共倒れしてしまう可能性があるので、契約時には留意しておく必要がある。実際にKDDIの障害では、KDDIのメインブランドだけでなく、サブブランドの「UQmobile」やオンライン専用プラン「povo」に加え、同社の回線を使っている「IIJmio」や「mineo」などの一部プランに影響が出た。
もう1つは、SIMカードをスマホがどう認識するかだ。デュアルSIMのとき、各回線をどのように使い分けられるかはスマホによって異なる。特に2つの回線を頻繁に切り替えたい場合などは、自分のスマホがどんな方式でSIMカードを認識するか、確認が必要になる。SIMカードの認識方式は4種類ある。
DSSS(デュアルSIMシングルスタンバイ)
DSSSは、2つのSIMカードが使えるものの、都度どちらかの回線を有効化・無効化しなければいけない方式だ。通話やデータ通信は有効化している回線でのみ可能。無効化しているSIMは圏外扱いになり、電話の着信やデータ通信ができない。
DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)
DSDSは、デュアルスタンバイと名が付く通り、回線の切り替えが不要になるので、2つの電話番号のどちらに着信があっても反応できる。片方のSIMでデータ通信を使っている間、もう片方のSIMで通話することも可能だ。
ただし、片方のSIMで通話中に、もう片方のSIMでデータ通信ができない他、2つの回線のうち片方は5G/4Gが使えるが、もう片方は3Gのみに限定される。
DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)
DSDVは基本的にはDSDSと同じ使い方が可能だ。ただしDSDSと違い、2つの回線で5G/4Gが使える。
DSDA(デュアルSIMデュアルアクティブ)
DSDAは、2つのSIMが常時併用できる。片方の回線で通話中に、もう片方の回線でデータ通信することも可能だ。切り替えも必要ない。両方の回線を5G/4Gで利用できる。
2021年にはドコモでも大規模障害が発生しており、通信が高度化・日常での重要なインフラになる中で、通信障害が長期化する可能性が今後もないとは限らない。もしものときを考えて、今から対策を考えるべきだろう。
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