寝苦しい夜と戦うためのガジェット 快適に寝落ちするために:小寺信良のIT大作戦(3/3 ページ)
スリープテックが最近注目を浴びている。サウンドを中心としたガジェット類を紹介していこう。
睡眠に最適化された音楽を自動生成する「Endel」
6月に発売されたソニーの「LinkBuds S」をレビューした際に知ったのが、「Endel」というサービスである。もともとはドイツで開発されているものだが、日本向けにはエイベックス・ビジネス・ディベロップメント株式会社がローカルマーケティングパートナーとなっている。
睡眠だけでなく、集中して仕事したり、移動にモチベーションを上げるといったパターンが用意されているが、やはり一番人気なのは睡眠に関するもののようだ。
Endelの音楽は自動生成なので、モードを切り替えても曲が停止して切り替わるのではなく、ずーっと鳴りっぱなしのままでそれぞれのモードに切り替わる。一定のベースの中で、リズムが足されたりピアノパートが引かれたりしていくわけである。実用音楽というか、音楽サプリみたいな感じだ。
また自動生成なので曲の終わりがなく、睡眠用の音楽は朝まで鳴り続ける。月額580円、年額5000円の有料サービスだが、個人的には一番寝られる音楽なので、EndelとComfoBudsZの組み合わせが今のところ最強だと考えている。
Linkbudsのユーザーであれば、「Auto Play」という専用アプリとEndelが連動できる。Linkbuds内のモーションセンサーによって、移動や歩行、音声通話後といったアクションが検知できるので、各アクション時に自動的にEndelから音楽再生が始まるといった設定ができる。
Endelの有料会員にならなくても、Endelのサウンドを利用できる方法がある。実はAmazon MusicとSpotifyには、Endelがアーティストとして登録されている。自動生成音楽ではないため、曲やアルバム単位で聞くことにはなるが、Endelのコンセプトは分かるはずだ。
良い眠りに対する解決策は、1つではないだろう。まくらやマットレス、シーツを変えるだけで向上するかもしれないし、しないかもしれない。筆者は中学生の頃から、寝ながら音楽をかけるのが習慣になっているが、好きな音楽を聞けば眠れるというわけではない。眠るための音楽を探し続けてもうずいぶんになるが、音楽が良い眠りにとって大きな手助けになることは体感的に分かっているつもりだ。
この夏、なかなか寝付けないで困っているという人は、こうしたアイテムの助けを借りてみてはどうだろうか。
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