Google、欧州でアプリストア外での支払い方法を追加し、手数料も下げる計画
Googleは、欧州経済領域でアプリストア外での支払い方法を認めると発表した。欧州連合で「Digital Markets Act(DMA:デジタル市場法)」がほぼ成立したことを受けたもの。代替手段を選択した場合、Googleへの手数料は減額される。
米Googleは7月19日(現地時間)、アプリストアGoogle Playストアにアプリを登録する開発者に向けて、欧州経済領域(EEA)のゲーム以外のアプリに限り、アプリ購入および課金のアプリストア以外の手段を認めると発表した。欧州連合(EU)の欧州議会が6日に「Digital Markets Act(DMA:デジタル市場法)」を可決したことを受けたものだ。
Googleは公式ブログで、DMAにより「Google Playなどの業界関係者は、EEAのユーザー向けに現在の運用モデルを調整する必要がある」と語った。DMAには、GoogleやAppleなどの「ゲートキーパー」企業がアプリストア登録開発者に支払いシステムなどの特定サービスの使用を強制することを禁止する条項が含まれている。DMAに違反すると、前会計年度の全世界の売上高の最大10%を、違反を繰り返す場合は最大20%の罰金を科す。
「この新たな規則に準拠するため、EEAユーザーの代替請求をサポートする新たなプログラムを発表する。これは、ゲーム以外のアプリ開発者がデジタルコンテンツやサービスの料金を得る際、EEAユーザーにはGoogle Playの課金システムの代替手段を提供できることを意味する」。
アプリストア以外での課金を選択した開発者の手数料は3%削減される。現在手数料は、売上高が年間100万ドルまでの開発者の場合売り上げの15%なので、手数料は12%になる。Googleによると、開発者の99%が手数料15%という。
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