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動く「AIスーツケース」、空港で実証実験 視覚障害者の移動を支援

日本科学未来館は21日、視覚障害者向けの自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実証実験を北海道の新千歳空港で実施すると発表した。

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 日本科学未来館は7月21日、視覚障害者向けの自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」の実証実験を北海道の新千歳空港で実施すると発表した。日本の空港では初めての取り組み。


「AIスーツケース」

 AIスーツケースは設定したエリア内で視覚障害者を誘導するロボット。見た目は市販のスーツケースと変わらないが、各種センサーや画像認識用のカメラ、通信機能などを搭載し、周囲の障害物や人を認識して安全に避けながら目的地まで案内する。

 今回の実証実験では、一般搭乗客や大きな荷物カートなどが行き交う環境でAIスーツケースが実験協力者を実際に案内する。ターミナルビル2階にあるセンタープラザを出発し、土産物店をめぐった後、航空会社の出発カウンター前まで誘導する。実験結果はAIスーツケースの動きの改善などに生かすとしている。

 AIスーツケースはIBMフェローで米国カーネギーメロン大学の客員教授でもある工学者・浅川智恵子さんが考案。2017年頃からカーネギーメロン大学の研究室で開発を始め、19年からは日本アイ・ビー・エムなど5社で設立した一般社団法人・次世代移動支援技術開発コンソーシアムを中心に開発を進めてきた。

 21年に浅川さんが日本科学未来館の2代目館長に就任したのを機に同館も開発に参加。以来、館内でAIスーツケース体験会なども実施している。


AIスーツケースの概要と次世代移動支援技術開発コンソーシアム参加企業の役割(20年の発表会資料より)

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