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文章を書くことと「ポメラ」という道具の奇妙な関係 その誕生から14年で「文房具」に到達するまで(1/6 ページ)

初代DM10からずっとポメラを使い続けてきた納富廉邦さんが、最新モデル「DM250」に至るまでのコンセプトの変遷を振り返ります。

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 最初のポメラである「DM10」が発売された2008年は、日本で初めてiPhoneが発売された年でもあるのだけど、ソフトバンクでしか発売がなかったこと以上に、まだiPhoneは高くて変わっている携帯電話機という認識でしかなく、テキストを入力する方法としては、PCかワープロかPDAを使うのが当たり前だった。

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初代ポメラ「DM10」
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初代iPhone

 単にメモを取るだけにPCを起動するのは面倒だし、ワープロも似たようなもので、PDAは、なんだかいろいろと面倒だった。だから、蓋を開けたらすぐにキーボードでテキスト入力ができるポメラは、とても歓迎されたのだ。むしろ、「何故、これがなかったのか?」というのが、市場の反応だったと思う。

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Windows CEベースのPDA「シグマリオン」

 そして、気軽にテキスト入力ができるマシンは当然のようにコンパクトでなければ意味はなくて、しかし、PDAやポケットサイズのワープロは、キーボードが小さかったり、入力方法が特殊だったりして面倒くさかったところに、折り畳み式のフルキーボードを搭載して、小型化と入力のしやすさを両立させたポメラは、ブログが流行っていたこともあって、とても広く、さまざまな層にアピールすることができた。

 必然だった折り畳み式キーボードは、そのギミック故にガジェット好きにアピールし、小型故に女性にも受け入れられた。当時、ハンドバッグから出して、ブログのテキストを打つ女性は普通にいっぱいいたのだ。だからこそ、「DM10」は、カラーバリエーションがあって、ちゃんと白モデルも選ぶことができたし、限定色の発売なども行われた。

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