バイデン米大統領、国内での半導体製造・開発支援法案に署名 対象企業に520億ドル(約7兆円)
ジョー・バイデン米大統領は、米国内での半導体製造開発を支援する法案に署名した。新法「CHIPS and Science Act」の下、IntelやMicronなど対象企業に約7兆円を投じる。
ジョー・バイデン米大統領は8月9日(現地時間)、米国内での半導体の製造と開発を支援する超党派法案「CHIPS and Science Act」に署名し、新法が成立した。対象企業に520億ドル(約7兆円)を投じることなどが盛り込まれている。
向こう5年間、米国内に半導体工場を誘致する補助金として390億ドルを投じる。「Science」については、AIや量子コンピュータ、通信技術などの研究支援に1020億ドルを投じる。
バイデン氏は署名に際し「これは米国に対する一世一代の投資であり、米国人が誇れる法律だ」と語った。
署名の場には、米Intelのパット・ゲルシンガーCEOなど半導体企業の幹部も列席した。Intelは新戦略「IDM 2.0」の下、米アリゾナ州チャンドラーに2つの新工場を、米オハイオ州にも2つの新工場を建設する計画だ。
Intelも補助金を受ける見込み。補助金を受ける企業は、中国での先端半導体の生産投資を禁じられる。
バイデン氏はIntel、米Micron、米Qualcommなどの「企業は、半導体産業の未来は米国で作られるという私のビジョンを共有している」と語った。
米連邦政府は発表文で「米国は半導体を発明したが、現在世界の供給量のわずか10%しか生産しておらず、最先端の半導体はない。世界の半導体生産の75%は東アジアに依存している」としている。
「残念ながら、これら(ミサイルなど兵器向け)の高度な半導体は米国では全く生産されておらず、中国が先行している。中国共産党がこの法案に反対し、米企業に積極的にロビー活動を行ったのも当然だ」(バイデン氏)
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