京都大学などによる研究チームは9月7日、仏教とメタバース技術を融合させた仏教仮想世界「テラバース」の開発を始めたと発表した。第一弾として、仏像型アバター「ブッダボット」をARで召喚し、ブッダと“対話”できるプラットフォーム「テラ・プラットフォーム AR Ver1.0」を開発した。
スマートフォンのカメラ機能を使い、仏像型の「ブッダボット」のアバターをARで目の前に“召喚”できる。ブッダボットに質問をすると、仏教経典に基づいた回答が得られる。
ブッダボットは、最古の仏教経典「スッタニパータ」に加え、原始仏教経典の1つ「ダンマパダ」の一部など合計1000のデータを機械学習したという。
当面は、学術利用・モニター利用に制限し、不特定多数への一般公開はしない予定。
今後は、サイバー空間上にアバター寺院を建立するなど、VR技術を用いた「テラ・プラットフォーム VR」も開発を進めていく計画。例えば「親鸞アバター」、さまざまなアバターの作製も視野に入れる。
テラバースには「一兆(テラ)の宇宙(バース)」という意味を込めた。「伝統知とテクノロジーを融合させ、重層的な精神世界を構築していく」と意気込む。
研究は、京都大学 人と社会の未来研究院の熊谷誠慈 准教授と、伝統知を基盤としたコンサルティングとテクノロジー開発を行うスタートアップ企業「株式会社テラバース」の古屋俊和CEOらが推進している。
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