日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」、2度目の公募スタート スマホでの個人証明にも活用へ
デジタル庁が、日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」として採用するサービスの公募を始めた。今回は2度目の公募。最初の公募ではAWSとGoogle Cloudを採択したが、クラウドサービスが多様化したことから、この2サービスを含め改めて公募する。
デジタル庁は9月12日、日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」(政府クラウド)として採用するサービスの公募を始めた。今回は2度目の公募で、期限は9月26日まで。2021年に行った最初の公募ではAWSとGoogle Cloudを採択し、期限付きで契約したが、クラウドサービスが多様化したことから、この2サービスを含め改めて公募する。
デジタル庁はガバメントクラウドに採択したサービスについて、スマートフォンで本人確認ができる公的個人認証サービス(JPKI)の提供や、同庁による調査研究で活用する可能性があるとしている。ITmedia NEWS編集部がデジタル庁に取材したところ、応募要領への明確な記載はないものの、初回の公募と同様、同庁のWebサービスや他省庁の新システム、地方自治体のシステム基盤としての活用も引き続き検討するとの回答が得られた。
応募できるのは政府のセキュリティ評価制度「ISMAP」のリストに登録されたサービスのみ。契約の開始時期については「公募終了後、速やかに契約する」(デジタル庁)という。利用の開始時期については、導入先のシステムとの相性などを基に判断する。
ガバメントクラウドは、政府やデジタル庁が主導するデジタル改革の一つ。自治体や政府が使うシステムの基盤を共通化し、データ移行や既存システムの機能拡張、サーバ導入コストの削減を見込むという。
初回の公募には3社の応募があり、セキュリティなどの要件を基にAWSとGoogle Cloudを選んだ。ただし2サービスとも期限付きの契約で、当初から2022年4月以降に同じ選考基準で2度目の公募を行い、2社を含めて再度クラウド事業者を募ると予告していた。
予告に対し、さくらインターネットや日本マイクロソフト、日本オラクル、NEC、NTTデータなどがガバメントクラウドへの参入を検討する方針を明らかにしている。
関連記事
- 2022年はどんなサービスが“日本政府の共通クラウド基盤”に? 2021年の「ガバメントクラウド」動向から考える
日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」。デジタル庁はAWSとGCPを採択したが、日本・海外を問わずさまざまなベンダーが今後の参入に向けて動いている。2022年は、どんなサービスが新たに加わる可能性があるのか。21年の動向を振り返りつつ考える。 - AWSとGCPが日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」に 「セキュリティや業務継続性で判断」
デジタル庁が日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」としてAWSとGCPを採択した。「公募には3社の応募があったが、セキュリティや業務継続性など350の項目を満たした2社を選定した」という。 - 「ガバメントクラウド」に国産IaaSが不在だったワケ さくら田中社長に聞く日本ベンダーの課題
日本政府の共通クラウド基盤「ガバメントクラウド」。海外IaaSのみを採択したデジタル庁に対し「日本の産業を育成しないのか」といった声も出ている。なぜ国産IaaSはガバメントクラウドになれなかったのか、さくらインターネットの田中邦裕社長に見解を聞く。 - さくらのクラウドやSlackが“政府認定クラウドサービス”に登録 各省庁の調達対象に
政府が「さくらのクラウド」や「Slack」など14サービスを、クラウドサービスの認定制度「ISMAP」のリストに登録。政府調達の対象として認定した。 - デジタル庁、設立から1年で取り組み振り返る 今後は組織力強化や着実な施策実行を目指す
デジタル庁設立から9月1日で1年がたち、同庁が公式Webサイトで、これまでの成果と今後の方針を発表した。この1年でマイナンバーカードの保険証利用、新型コロナワクチン接種証明アプリの運用などの施策を実行してきた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.