スパッと買う決心がつかない貴方に――「アーロンチェア」を好きなだけ試せるサブスクはいかが?(5/5 ページ)
「高価でもよいものを買え」と言われるツールの代表格といえばキーボード、そしてチェアだろう。中でもチェアは、高級な製品は10万円超えが当たり前ながら試せる場が少ない。こうした時、家具のサブスクリプションサービスを利用する手がある。
「エルゴヒューマン」を事前に試して実際に分かったこと
ところで最終的に筆者が購入したのは、試用した「エルゴヒューマンプロ」ではなく、ヘッドレストのない「エルゴヒューマンベーシック」。というのも前者のヘッドレストは可動範囲が狭く、のけぞるような姿勢を取ることが多い筆者にとって不要だと感じたからだ。
この「エルゴヒューマンプロ」のヘッドレストは構造上取り外しができず、実機を試さずに購入していれば困り果てていたことは必至で(しかも違和感を覚えるようになったのは使い初めてすぐではなく数日経ってから)、試用したことによってよりマッチした製品を選択することができた。
およそ1カ月半にわたっての試用で、最終的に購入した「エルゴヒューマンベーシック」の費用にプラスして約2万円を支払ったわけだが、絞り込んだ候補をそれぞれ実環境で使った上での結論ゆえ、納得感はかなりのもの。高価な製品を注文したあとによくある「別の製品にしたほうがよかったんじゃ…?」という後悔に似た感情は全くない。
ところで最終的にCLASに製品を返却するにあたって気をつけたいのが、返却日の指定。1週間以上先のスケジュールしか指定できないので、期限ギリギリになって申し込もうとすると、もう1カ月ぶん余分な料金が発生することになる。返却予定が決まったら、なるべく早く申し込んだほうが良いだろう。
今後の課題はチェアのラインアップ?
CLASでの試用を経て筆者がチェアの購入に至るまでの経緯は以上だが、このCLASをはじめ、家具のサブスク事業者を利用するにあたってのポイントとなるのは、やはり製品のラインアップ。
今回使用したCLASは、オフィスチェア/ビジネスチェアをラインアップしている業者の中では品揃えは多いほうだが(筆者が試して以降も、アーロンチェアと同じHermanMillerのアルミナムチェアなどが追加されている)、とはいえ国内の著名メーカーのオフィスチェアを何十種類も取り揃えているわけではない。
そもそもこれらのサブスクプランは、期間を区切ってテレワークのためにスペースを作ったり、仮設オフィスを用意するのが主な利用目的のはずなので、筆者のように購入にあたっての下調べとして使うユーザは限定的と考えられる。そうなると必ずしも著名メーカーの高級チェアにこだわる必要はなく、ラインアップが少ないのは当然といえる。
ただ、もう少しラインアップが多ければ、筆者も今回の2台だけに限らず、この機会に3台、4台と続けて試していたのは間違いなく、そうしたニーズは潜在的にありそうな気もする。チェアの具体的な型番すらなく、単に「オフィスチェア・肘つき」といった形でしか製品を用意していない業者もある中、高級チェアの名前を前面に出す業者が増えてくれることを願いたい。
ともあれ、実売10〜20万円はするにもかかわらず、当たりを一発で引くのが難しい高級チェアの導入において、実環境で一定期間試用できるメリットは絶大。人気製品ともなると順番待ちになることもあるようだが(今回のアーロンチェアも発注時は残数1だった)、もし自宅が運よくサービスエリア内であれば、積極的に利用してみてはいかがだろうか。
関連記事
- 「アーロンチェア」22年ぶり刷新 「リマスター版」来年初頭に発売へ
高機能ワークチェア「アーロンチェア」が22年ぶり刷新。「リマスター版」が来年発売へ。 - 「電動バイクのサブスク」で実証実験 乗り換え放題で月額1万9580円から 各種保険込み
カメラブは5月17日、バイク情報メディア「グーバイク」を運営するプロトコーポレーションと共同で、電動バイク・電動キックボードのサブスクリプションサービスに関する実証実験を開始すると発表した。 - 洋服サブスクのエアークローゼットが上場へ
月額制の洋服レンタルサービス運営のエアークローゼットがグロース市場へ。上場予定日は7月29日。 - トヨタ初の量産EV、サブスク価格発表 月額8万8220円から
トヨタ自動車は、同社初の量産BEV「bZ4X」のサブスクリプション価格を発表した。 - 動き出したエアコンのサブスク 戸田市は富士通ゼネラルの最上位機種で月額2000円から
高齢者世帯の熱中症対策を主な目的としたエアコンのサブスクリプション事業が動き出した。戸田市の場合は月額2000円(税込)から。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.