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パナソニック「指定価格制度」 家電量販店はどう捉えているのか?知らないと損!?業界最前線(6/6 ページ)

パナソニックが「メーカー指定価格」を導入し、話題になっている。一部のフラグシップモデルで販売価格を指定し、値引きを認めないというものだが、家電量販店は在庫リスクを負わずに済む。「指定価格」により、家電量販店は今後どうなっていくのか。また他メーカーは追従していくのだろうか。

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同じ商品・同じ価格で問われる店舗の存在意義

 小型家電はネット通販の市場が拡大しており、ニトリやドン・キホーテが低価格の大型家電オリジナルモデルで攻勢をかけている。同じ製品を同じ価格で販売していては、家電量販店市場は縮小する一方だ。

 ただ、家電量販店としても座して待っている訳ではない。トイレやキッチンの入れ替えから屋根・壁の塗装・貼り替えといったリフォーム事業、アウトドアやスポーツ用品の取り扱い、家具や生活雑貨の販売、果ては住宅事業、リサイクル事業に参入など業容拡大を急ぐ。オリジナル製品の開発に注力している家電量販店もある。

 パナソニックの新制度はまだ道半ば、スタートしたばかりであり、成果を判断することはできない。しかし家電量販店とメーカーの関係性に一石を投じるものであり、ひいては家電量販店の存在意義にも影響を与えかねない施策となっている。「この店舗でしか買えないオリジナル商品を開発しないと、お客が店に来てくれなくなる」(家電量販関係者)


ナノイードライヤーは、実売価格4万円弱ながら、強力なブランド力で高単価でも売り上げを維持している(著者撮影)

 近年では、消費税増税やコロナ禍による巣ごもり需要、10万円の給付金、東京オリンピックなど、さまざまな特需や家電量販店自身の努力によって、ここまでは量販市場は維持することができた。

 しかしオーバーストア状態はもう何年も続いており、ネット通販の拡大も影響して、1店舗当たりの売上高は激減している。パナソニックの指定価格制度を契機に家電量販市場に新たな動きが起こるのか。注視していきたい。

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