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IBMが433量子ビットのプロセッサ発表 現行の3倍 次世代量子コンは合体で最大1.7万ビットに
米IBMが新型QPU「Osprey」を発表した。量子ビット数は2021年公開の「Eagle」の3倍以上。次世代量子コンピュータ「IBM Quantum System Two」についても、拡張により最大で1万6632量子ビットまで対応できると明らかにした。
米IBMは11月9日(米国時間)、新型量子コンピューティングプロセッサ(QPU)「Osprey」を発表した。量子ビット数は2021年公開の「Eagle」の3倍以上。
Ospreyは433量子ビットを搭載するQPU。日本で稼働中の量子コンピュータ「IBM Quantum System One」に搭載された「Falcon」(19年公開、27量子ビット)と比べると16倍以上に拡大した。Ospreyの公開は米IBMの開発ロードマップ通りで、23年には1121量子ビットの「Condor」を発表するとしている。
次世代量子コンピュータ「IBM Quantum System Two」についても開発の進捗を公開した。System Twoは複数のQPUを搭載する量子コンピュータ。ラックを追加することで1台で最大4158量子ビットまで扱える。System Twoと冷却器はケーブルで3台まで接続でき、合計で最大1万6632量子ビットに対応する。
今後は23年末にSystem Twoをオンライン化する予定としている。
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