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真面目なのに怪しさ満点、科博の特別展「毒」が面白い 「毒まんじゅう」も売ってる(2/4 ページ)

毒の展覧会というとキワモノっぽい感じがしたりするもの。国立科学博物館の特別展「毒」は、そうしたイメージを否定せず、真面目に丁寧に作りながらも、見世物小屋的な見せ方もしている面白い企画展だ。

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 江戸時代の白粉の鉛や水銀による被害のような生活に密着した毒や、モルヒネなどの薬物利用、アレルギーに毒生物料理までを一覧できる機会は中々ない。


生活の中には至る所に毒がある。例えば、ぶどうは、イヌやネコが食べると急性の腎障害を起こす。怖いのは、その原因が不明というところだ

 最終章は「毒とはうまくつきあおう」。毒の全てを見たことで知った様々なことから、私たちはどのように、毒と向き合えば良いのかを問い掛けることで、この展示全体を締める。


オリジナルグッズには「毒まんじゅう」(972円)もある。単に、毒の焼き印を入れた紫芋餡のまんじゅうだが、こういうものを作ってしまうセンスが好きだ

 そして、しゃれの利いた「毒まんじゅう」などの「毒」展オリジナル・グッズが並ぶミュージアムショップまでが、特別展「毒」。


展示風景。古い研究室と現代風なラボを合わせたような装飾

 さすがは国立科学博物館と思わせる、見事な標本や展示方法で、毒をキーワードに生物や地球の不思議から、人間の歴史と生活までを一気に見せる趣向は、もはやテーマ・パークに近い楽しさがあった。どこかに「毒ランド」みたいなものを作ればいいのにと思うほどだったのだが、博物館サイドはこれではちょっと真面目でシリアスになり過ぎてるかも、と思ったらしい。


カプサイシンの解説に、鷹の爪団はピッタリすぎる

特別展「毒」、タイアップソングは「楽器を持たないバンド」こと6人組ガールズグループ、BiSHの「UP to ME」。BiSHのメンバーが描いたイラスト入りのTシャツが付いた限定の前売り券は瞬殺だった。あのTシャツ、グッズとして売ってほしかった

 だから、オフィシャル・サポーターにクイズ・プレイヤーの伊沢拓司氏を招き、入り口には伊沢氏率いる東大発知識YouTuber集団「QuizKnock」からの「毒」クイズが用意されているといった仕掛けも用意した。クイズは展示を見れば解けるものもあるし、展示以外のクイズもある。さらに「秘密結社 鷹の爪」による解説イラストやアニメーションもあちこちに設置するなど、展示を盛り上げる工夫も見られる。ただ、私は不勉強で伊沢氏もQuizKnockも知らなかったこともあって、毒だけで十分面白いのにな、とか思ってしまった。

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